法の重要性を考える:うら金と政治の問題

 再び起きてしまうのを防ぐ。そのために、法の決まりを作って行く。政治のうら金のことでは、それがいるのだとされているのがある。

 再発をふせぐために、法の決まりを作ることが、うら金のことにおいてもっともいることなのだろうか。制度を作りさえすれば、再びうら金を作られることが起きなくなるのだろうか。

 うら金を作っていたのが与党である自由民主党の政治家たちだ。野党は自民党のうら金の政治家たちを批判するのではなくて、法の決まりや制度を作って行くことをしなければならない。自民党を批判ばかりしていないで、野党はかんじんなことをやるべきだ。そう言われているのがある。

 何が欠けているのかを見てみたい。うら金のことにおいて、それを作らせないようにする法の決まりや制度が欠けているのだとは必ずしもいえそうにない。

 法の決まりや制度が欠けているから、それを新しく作って行く。それで再発を防止して行く。これから新しく法の決まりや制度を作って行くことがいるのであるよりも、その前のところのものが欠けてしまっているのが日本の政治だろう。

 いちおうあると言えばあるものなのが、法の決まりや制度だ。それらがまったくないのではなくて、いちおうすでにあると言えばある。それに比べて、何がいちじるしく欠けているのかと言えば、もっと前のものだ。基礎や土台みたいなものが日本の政治では欠けている。

 基礎や土台に当たるところのものとして、法治がある。いまの日本の政治は、法治ではなくて人治になってしまっている。法の支配(rule of law)ではなくて。人の支配だ。

 周辺と核心の二つにふ分けしてみる。二つにふ分けしてみたさいに、うら金のことでは、法の決まりや制度の不備が核心に当たるのだとはできそうにない。核心に当たるのは何かといえば、法の軽視だ。法を重んじていない。

 家を建てるさいに、なんじゃくな地盤のところに建ててもきちんとした家は建たない。しっかりとした家を建てるためには、きちんと安定した地盤のところに、しっかりとした基礎をつくる。そのうえで家を建てて行く。

 政治のうら金のことでは、いくら再発を防ぐための法の決まりや制度を作るのだとしても、すごいなんじゃくな地盤のところに家を建てるようなことになってしまう。

 ひどく法を軽んじていて法治ではなくなっているところに新しく法の決まりや制度を作ったとしても、必ずしも意味があるものになるとはいえそうにない。せっかく新しく建てた家が、すぐに倒れてしまうようなことになる。

 どういうことを改めるべきなのかと言えば、法治ではなくなっているところだ。法治ではなくて人治になっているのを改めて行く。強い者に有利にはたらくような帝国主義(専制主義)になっているのがいまの日本の国の政治だから、専制主義を改めて行く。

 具体のものなのが法の決まりや制度だけど、それよりも前のところである抽象のところを見て行く。具体論ではなくて抽象論によってみると、日本の政治では法が軽んじられている。法を重んじていない。それがあるから、法を重んじるようにすることからはじめて行かなければならない。そこから改めて行くことがいる。

 中立な立ち場から判断する思想なのが自由主義(liberalism)だ。中立ではなくて、強い者に有利になっているのが日本の国の政治であり、専制主義のあり方だ。うら金が作られていたのは、強い者である自民党に有利にはたらくものである。専制主義のあり方があらわれているのである。

 脱税をしているのが自民党の政治家たちであり、うら金を作っていた。脱税の脱のところがあるけど、それになぞらえれば、政治が脱法になっている。無法や超法になっているのが日本の国の政治であり、法にもとづいていない。いくら再発をふせぐために新しく法の決まりや制度を作るのだとしても、脱法や無法や超法になっているのであれば意味がない。

 いそいで新しい再発の防止のための法の決まりや制度を作るのであるよりも、いまいちど法を重んじるようにすることからはじめて行く。初歩のところからはじめて行く。国の政治においての初歩のところができていないのがいまの日本であり、そこから改めて行くことがいりそうだ。

 具体論であるよりも抽象論で見てみると、抽象のところができていないのがあり、まずは法を重んじるようにするところからはじめて行くことがいるのが日本の政治だろう。

 たとえ自民党であっても、そのほかの政党であっても、どこの政党であったとしてもそもそもこういうことはよくないのだとして行く。どこの政党であったとしても、どの政治家であったとしても、そもそもこの行ないは悪いといったふうにするのでないと、自民党だけが甘く許される、甘えの構造を改めることができづらい。甘えの構造が保たれたままだと、法が軽んじられつづけてしまう。

 参照文献 『双書 哲学塾 自由論』井上達夫現代思想を読む事典』今村仁司編 『憲法という希望』木村草太(そうた) 『法律より怖い「会社の掟」 不祥事が続く五つの理由』稲垣重雄 『橋下徹の問題解決の授業 大炎上知事編』橋下徹 『信頼学の教室』中谷内一也(なかやちかずや) 『現代思想キイ・ワード辞典』鷲田小彌太(わしだこやた)編 『究極の思考術 あなたの論理思考力がアップする「二項対立」の視点十五』木山泰嗣(ひろつぐ) 『人を動かす質問力』谷原誠 『法哲学入門』長尾龍一構築主義とは何か』上野千鶴子