万博とお笑いの関係を考察

 万博をお笑いの点から見てみる。そうするとどういったことが見えてくるだろうか。

 二〇二五年に関西で開かれるのが万博だ。

 万博をよしとする。お笑いでは、お笑い芸人の人で、そうした人がいる。万博に協調しているお笑いの芸人だ。

 すべてのお笑いの芸人が万博に協調しているとは言えそうにない。非協調なお笑いの芸人も中にはいる。

 範ちゅうと価値にふ分けしてみたい。お笑いの芸人の範ちゅう(集合)の中で、万博に協調する人もいれば非協調な人も含む。さまざまな価値をふくむ。範ちゅうの中にはさまざまな価値が含まれている。

 非協調なお笑いの芸人としては、西川のりお氏がいる。万博を批判することを言っている。万博についての本質をぎんみしているのである。

 分類づけをしてみると、お笑い芸人の中で、万博に協調する人と非協調な人がいる。二つに分類できる中では、万博に非協調なお笑い芸人のほうがすぐれているのだと見なしてみたい。同意よりも不同意のほうがより優秀だ。

 なんで非協調なほうがよりすぐれているのかといえば、万博を対象化しやすいからだ。非協調ではなくて協調してしまうと、万博と一体化しがちだ。距離をとれない。

 現代思想でいわれる薬と毒の転化(pharmakon)をくみ入れてみると、万博に協調するのはいっけんすると薬であるかのようだが、あとで毒になりかねない。権力のたいこ持ちになってしまう。権力のどれいになる。

 万博に非協調なのはいっけんすると毒であるかのようだけど、あとで薬になる。その見こみがある。権力が言っていることを、そのまま丸ごとうのみにしない。権力が言うことをうたがう。万博への思いをどんどん高めて行ける。正だけではなくて負の思いをより高めて行くことがなりたつ。協調するのだと、正の思いだけにとどまってしまう。

 お笑いでは、ふりと落ちがある。その二つの組みがある中で、ふりによる問いかけをしてみたい。ふりによる問いかけでは、万博に悪いところはないのかとか、万博を開いて良いのかといった問いかけを投げかけられる。悪いところを見つけて行く。改善を試みる。

 お笑いのふりの問いかけで改善を試みてみる。改善を試してみると、万博を開くことが予定されている中で、それを開かないほうがより改善される見こみがある。開くよりも、開かないほうがよりよくなる。その見こみがあるから、どんどん改善を探って行くようにしたい。

 一つの視点だけだと、万博に協調するだけになる。視点を増やすようにして、非協調によるようにすることもいる。視点を増やして行くのがお笑いにはある。視点を増やして行けるのがお笑いにはあるから、それを万博において生かす。非協調のあり方もとるようにして行く。

 たんに万博に協調するだけだと、お笑いを抜きにすることになってしまう。お笑いがもつ良さを生かせない。お笑いが持つ良さとしては、ふりと落ちを使える。ふりの問いかけによって、ものごとを改善して行ける。視点を増やすことができる。一つだけの視点によらないようにできて、視点を複数化できる。

 ふくすう化や本質化をすることができる良さを持つのがお笑いだろう。万博ではそれを十分に使うようにして行きたい。お笑いを抜きにしないようにして行く。きびしい批判を万博にたいして行なうようにして、本質をぎんみして行きたい。

 万博に協調することはあってよいけど、非協調な人を生かす。非協調なお笑いの芸人の人がいるのだから、そういった人をとり立てて行く。よりすぐれているのが非協調な人だが、とり立てられづらい。わきに追いやられやすいのである。分類ができる中では、すぐれていない方である協調の人のほうがとり立てられやすいのが現実だ。

 非協調な人を否定してしまうと、排他になる。排他のあり方だと、お笑いを抜きにすることになってしまう。排他ではなくて、包摂によるようにして行く。非協調なのも包摂して行く。そうすれば、万博においてお笑いを生かすことがなりたつ。

 せっかくなのだからお笑いを十分に生かす形で万博をやるべきだ。排他ではなくて包摂でやって行く。お笑いを抜きにしてしまうと、万博は台なしになりかねない。

 排他のあり方で万博をやってもそこまで意味はないし、損や害がおきるおそれがある。思想の傾向(ideology)が強まってしまう。意味があるもよおしにするためには、お笑いを十分に生かして、ふくすう化や本質化をなすことがいる。

 参照文献 『すっきりわかる! 超訳「哲学用語」事典』小川仁志(ひとし) 『双書 哲学塾 自由論』井上達夫 『ユーモア革命』阿刀田高(あとうだたかし) 『徹底図解 社会心理学 歴史に残る心理学実験から現代の学際的研究まで』山岸俊男監修 『現代思想を読む事典』今村仁司編 『できる大人はこう考える』高瀬淳一 『木を見る西洋人 森を見る東洋人―思考の違いはいかにして生まれるか』リチャード・E・ニスベット 村本由紀子訳 『宗教多元主義を学ぶ人のために』間瀬啓允(ませひろまさ)編 『うたがいの神様』千原ジュニアカルチュラル・スタディーズ 思考のフロンティア』吉見俊哉(よしみしゅんや) 『構築主義とは何か』上野千鶴子編 『問題解決力』飯久保廣嗣(いいくぼひろつぐ) 『橋下徹の問題解決の授業 大炎上知事編』橋下徹 『本当にわかる論理学』三浦俊彦 『はじめての批評 勇気を出して主張するための文章術』川崎昌平(しょうへい) 『思考のレッスン』丸谷才一(まるやさいいち) 『日本の難点』宮台真司(みやだいしんじ)