首相への、暴力がおきた。テロ(terrorism)を批判しないとならない。テロはよくないことだから、それをやった犯人を悪く言わなければならないのだろうか。犯人は悪人だとなるのだろうか。
たしかに、首相に暴力をふるうテロはよくないものだ。それをよしとするのはのぞましくない。そのうえで、それについてを、行動とそれへの反応に分けてみたい。
行動と反応にふ分けしてみると、首相に暴力をふるったのは、テロだとはいっても、たんなる行動だ。法の決まりに反しているから、犯罪に当たる行動だ。
おなじように、人にたいして暴力をふるう行動でも、反応がちがう。反応が大きかったり小さかったりする。
首相は国の中で目だつ人物だ。だから、首相に暴力をふるう行動への反応は大きくなりがちだ。
外国の人が入れられている施設で、外国の人に暴力がふるわれて、殺されることがおきている。外国の人を殺す行動が行なわれているけど、それへの反応はうすい。首相に暴力をふるったのと同じように、外国の人に暴力がふるわれているけど、それへの反応はそこまで大きくはない。
首相はまったくの善で、それにもかかわらず暴力をふるわれて、テロをなされたのかといえば、そうとは言えそうにない。政治の権力をもっているのが首相であり、政治でいろいろな悪いことをやっているのがあり、悪いところがあるのはいなめない。少なからず悪いところをもつ。
たとえ首相に悪いところがあるからといって、暴力をふるわれたりテロを引きおこされたりしてよいわけではないけど、まったく何の悪いところもないような善そのものではないのは確かだ。
ふつうの人は、暴力の装置をもつことはできない。人ではなくて、国であれば、暴力の装置をもてる。その地域の暴力を独占しているのが国だ。
人がやる負のことと、国がやる負のことを見てみると、国がやる負のことは見のがされやすい。国がやる負のことは、よしとされてしまいやすい。
どちらも行動ではあるけど、人がやる負のことは見のがされづらくて、国がやる負のことは見のがされやすい。
人のことは置いておけるとすると、国は負のことをやりがちだ。歴史において、国が負のことをやることが多かったのがあり、国がテロの主体であることは多かった。国が暴力をふるう。
テロは悪いのはたしかだけど、行動にたいする反応のちがいがおきてしまうのがあるから、そこに気をつけたい。人によるテロの行動にはびんかんな反応がされるけど、国がやるテロつまり暴力の行動にはどんかんになりがちだ。
国がやるテロつまり暴力の行動こそが危ないのがあって、それに歯止めをかけることがいる。国(こそ)がテロリストなのがあり、国が暴力の主体なのがあるから、そこを見落とさないようにしたい。
テロといったばあい、人であるよりも、国(国によるテロ)のほうこそが危なくなっている。人に目を向けるだけでは足りないのがあって、不十分だ。国をとり落とさないようにして、国がもつ暴力にたいして目を光らせるようにしたい。
いまロシアは国としてテロリストになっていて、ウクライナに戦争をしかけている。ロシアは、自国がテロリストにならないで、テロの行動をやらないようにする歯止めを持っていない。自国がテロリストでもよくて、テロをやってよいのだとなってしまっている。
ロシアに見られるように、国こそがテロリストになりやすくて、テロつまり暴力の行動をおこしやすい。それを改めるためには、国が、国際の法の決まりである国際法を守って行く。日本でいえば、いまの日本の憲法をしっかりと守って行く。日本の憲法のような、ちゃんとした法の決まりを守るようにしなければ、国はかんたんにテロリストになってしまい、自国や他国の人たちに暴力をふるう。
日本では、憲法をちゃんと守っていないから、外国の人に暴力がふるわれてしまっている。日本はすでに、国がテロリストになっているところがあり、国が、外国の人に暴力をふるってしまっている。
国によるテロつまり暴力の行動には、反応がうすいのがあって、それにたいしてもっと大きな反応があってよいはずだ。外国の人の人権をしんがいするような、国の負の行動にたいして、もっと大きな反応をするように、改めることがいる。
どういう行動にたいして、どういう反応をするべきなのかでは、まだまだ日本では、反応のしかたが改められることがいる。まだ、行動にたいする反応のしかたがおかしいところがあって、(のぞまれる水準からすると)遅れているところがある。
理想論や正義論の点からすれば、行動への反応のしかたを、もっと改善しなければならないのがいまの日本だ。人権がしんがいされがちな、可傷性(vulnerability)やぜい弱性をもった人の人権をしっかりと重んじるような反応のしかたに改めないとならない。
参照文献 『日本の刑罰は重いか軽いか』王雲海(おううんかい) 『憲法という希望』木村草太(そうた) 『暴力 思考のフロンティア』上野成利(なりとし) 『究極の思考術 あなたの論理思考力がアップする「二項対立」の視点十五』木山泰嗣(ひろつぐ) 『十三歳からのテロ問題―リアルな「正義論」の話』加藤朗(あきら)