ロシアとウクライナの戦争と、円―円の中心の数のちがいと、力の分散化

 ロシアとウクライナのあいだで戦争がおきている。

 なぜロシアによって戦争が引きおこされてしまったのだろうか。どのようであったとしたら戦争がおきずにすんだのだろうか。

 円では、中心が一つだけなのと、中心がいくつもあるだ円がある。

 ロシアの国のあり方は、円でいえば、中心が一つだけの円になっているものだろう。それによって戦争がおこされてしまった。

 円でロシアの国を見てみると、その中心にいるのがウラジーミル・プーチン大統領だ。父権制のあり方だ。男性が中心になるものだ。

 日本の政治家の大平正芳(おおひらまさよし)氏は、だ円のあり方をよしとしている。中心が一つだけの円のあり方はのぞましいものではない。円の中に中心がいくつもあるあり方によって、力が分散化されていたほうがよい。

 いま戦争がおきていることから見てとれるのは、中心が一つだけの円のあり方は、いざとなったさいには危ないものであることだ。ロシアでは、中心が一つだけの父権制のあり方がとられていて、それによって戦争がおきることになってしまった。

 中心が一つだけなのではなくて、それがいくつもあるようなだ円のあり方にもしもロシアがなっていたとするのであれば、ロシアが戦争を引きおこすことは防げた見こみがある。少なくとも戦争を引きおこすことは避けられた。

 一つの国が円であるとして、その中にたった一つだけしか中心がないのだと、国の中を代表し切れない。一つの国の中にはいろいろな声があり、そのいろいろな声をできるだけ多くすくい上げるためには、中心が一つだけではできづらい。いくつもの中心があるようなだ円のあり方でないと、国の中にあるいろいろな声をすくい上げられない。

 いろいろな人たちによるいろいろな声が国の中にはあり、そのかくある実在(sein)のところを重んじて行きたい。かくある実在のところを重んじるためには、中心がいくつもあるだ円のあり方であることがいる。

 ロシアの国はプーチン大統領が上から引っぱるかくあるべきの当為(sollen)によっているから、中心が一つだけしかない円のあり方だ。かくあるべきの当為によっていて、父権制で男性が中心になるあり方であることから、ロシアは戦争を引きおこしてしまった。

 父権制で男性が中心のあり方であることから、その男性のせいで戦争を引きおこしてしまい、男性が自分たちで自分たちの首をしめている。女性にも大きな損や害を与えてしまっている。男性がしでかした戦争のとばっちりを女性に与えてしまっている。

 円の中の、中心の数が足りず、たった一つの中心しかない。その中心の位置を男性がぎゅうじっていて、父権制になっている。そこからロシアは戦争を引きおこすことになってしまった。そこに見てとれるのは、性(gender)の階層(class)の格差だろう。性の階層の格差があることから、ロシアでは戦争が引きおこされてしまったのだと言えそうだ。歴史におけるほとんどの戦争は、男性が引きおこしたものだろう。または男性によるもの(男性性)や男性らしさが引きおこしたものだといえる。

 参照文献 『双書 哲学塾 自由論』井上達夫父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない』橋本治(おさむ) 『フェミニズム 思考のフロンティア』竹村和子 『増補 靖国史観 日本思想を読みなおす』小島毅(つよし)