政治家の蓮舫(れんほう)氏の怖さに迫る

 どうして、れんほう氏はこわいのだと見なされるのだろうか。

 東京都の都知事の選挙にでるのが蓮舫(れんほう)氏だ。

 きびしいことを言う。批判をたくさんしているのが蓮舫氏なので、怖さがあるのだとされている。

 ていどで見てみれば、日本の政治家の中でもっとも怖いのが蓮舫氏なのだとは見なせそうにない。

 とんでもなく怖いとまでは見なせないのが蓮舫氏だ。もっと怖い政治家はいるのである。れんほう氏を上まわる。れんほう氏よりも上がいる。

 ていどからすると、怖さのていどがより高いのが、野党であるれいわ新選組の女性の政治家たちだ。

 れいわ新選組の女性の政治家たちが、テレビ番組にでると、よい意味での怖さがある。かなり怖い。そうとうにきびしい批判を、テレビ番組において言う。れんほう氏であってもおよばないくらいのことを、れいわ新選組の女性の政治家たちは言っている。女性にかぎらず、男性の政治家でも、よい意味で怖い政治家がれいわ新選組にはいる。

 なんで政治家が怖くなってしまうのかといえば、力と正しさの二つがあるからだろう。力と正しさの二つにふ分けすることがなりたつ。might と right だ。

 正しいことを言うさいに、たんに言うだけでは十分ではない。正しいことを言うのとともに、戦わなければならない。政治においては、正しいことを言ったりやったりするだけではなくて、戦うことを避けては通れないのである。戦いをせざるをえない。力(might)によることがいるのである。

 いっさい戦わなくてもよいのなら楽だ。たんに正しいことを言うだけだったら楽だけど、戦わないとならないから大変なのである。正しいことを言うだけで、ものごとが速やかに正されるのであれば、話はかんたんだ。正しいことのために戦わずにすむ。

 悪いものが勝つ。良いものが負けてしまう。しばしばそれがおきてしまう。負けたままでいてよいのかといえば、そうとはできないから、勝つために戦うことがいる。正しいことのために戦って行く。

 社会における平等のことなのが正義だ。不平等を改めて行く。階層(class)の差があるのをなくして行く。階層の差が固定化されつづけるとよくないから、それを平等化して行くために戦って行く。

 いろいろな不祥事が日本の政治ではおきている。不正が色々になされているけど、報道がそれを十分に批判できていない。政治の不正を許してしまっているところが報道にはある。大手の報道の機関なんかは、正義のために十分に戦っていない。不正を見のがしている。

 どういうものが正義なのかは、定義づけがむずかしい。積極には定義づけができないが、消極にはなりたつ。不正がないことが正義だとできるのにとどまる。はっきりとは定義づけをしづらいのがあるけど、正しさと力の二つの組みで見てみると、正しさのための戦いが不十分なのが日本の政治の欠点だ。

 正しさのためには戦わなければならないことがふまえられていない。戦いを避けられないことが自覚されていない。報道なんかが、正しさのための戦いを避けてしまっている。悪い意味での和が重んじられてしまっている。そんたくだ。

 上には上がいる。れんほう氏は怖いところがあるかもしれないが、それよりも上がいて、れいわ新選組の女性の政治家なんかはもっと怖い。正しさのために戦っているからだろう。

 たとえ怖い政治家だからといって、それだけをもってして悪いとか良いとかとはできづらい。悪いとは基礎づけたりしたて上げたりできないし、よいと基礎づけたりしたて上げたりもできないのである。反基礎づけ主義からはそれがなりたつ。

 たとえどのような政治家であったとしても、言っていることややっていることのすべてが正しいのではない。完全に悪いとか良いとは基礎づけたりしたて上げたりはできないが、正しさのためにきちんと戦っていることで、その政治家が怖くなることがある。

 いまの日本は、利益の分配の政治ができなくなっている。不利益の分配の政治をやらざるをえない。不利益の押しつけ合いだ。押しつけ合いで、戦い合う。よくない不正な押しつけがあるから、それと戦って行く。

 だれかにとくに不利益が多く押しつけられないようにする。みんなで公平に不利益を分かち合う。みんなが納得できる形で負担をし合うことがいる。いやなものなのが不利益なのだから、それをみんなでうまく分かち合うさいには、どうしても戦い合うことになる。

 財政からすると、お金のゆとりが無くなっているのがいまの日本の政治なのだから、ぎすぎすするところがある。さつばつとする。顔つきがきびしくなってしまう。現実にまともに向き合うのであれば、きびしい現実と向き合うことになるのだから、そんなにいつもにこにこしていられるものではないだろう。

 人口が増えていっているときには政治がうまく行きやすいけど、その逆に減っていっているのがいまの日本だ。これまでのあり方が通じない。そんな中にあっては、正しさのために戦って行くことがいる。政治の権力と戦って行く中で、怖さがおきるのであれば、良いことなのである。

 参照文献 『法哲学入門』長尾龍一 『すっきりわかる! 超訳「哲学用語」事典』小川仁志(ひとし) 『「不利益分配」社会 個人と政治の新しい関係』高瀬淳一 『カルチュラル・スタディーズ 思考のフロンティア』吉見俊哉(よしみしゅんや) 『構築主義とは何か』上野千鶴子編 『朝鮮語のすすめ 日本語からの視点』渡辺吉金容(きるよん) 鈴木孝夫 『議論入門 負けないための五つの技術』香西秀信 『大学受験に強くなる教養講座』横山雅彦