暴力とは何か:イスラエルのパレスチナに対する行動の考察

 パレスチナでは、暴力がふるわれている。イスラエルの国によってだ。

 イスラエルがやっている暴力にたいして世界の色々な所で批判の声があげられている。具体としてのイスラエルの暴力をどういうふうにとらえられるだろうか。

 具体論としては、イスラエルパレスチナにたいして暴力をふるう。具体からやや離れて抽象論で見てみたい。

 抽象論によって見てみると、ある場所において、ある地域または人々にたいして暴力がふるわれている。そのさいの暴力とはいったいどういったものなのだろうか。

 イスラエルによって暴力をふるわれているのがパレスチナの地域またはパレスチナ人の人たちだ。パレスチナの地域またはパレスチナ人の人たちはなんで暴力をふるわれているのかといえば、ぜい弱性(vulnerability)を持っているからである。悪玉化(scapegoat)されている。贖罪(しょくざい)の山羊(やぎ)だ。ぜい弱性をもつものを排除するのが暴力である。

 世界の中でたった一つのところでだけ、暴力がふるわれているのではない。イスラエルパレスチナに暴力をふるっているのがあるけど、そこの場所だけで暴力がふるわれているのではなくて、ほかの色々なところでも暴力がふるわれている。世界の中で色々なところで暴力がおきている。

 パレスチナにはぜい弱性を持った人たちがたくさんいる。とりわけパレスチナ人の中で子どもや女性はぜい弱性を大きくもつ。ぜい弱性を大きく持っているのが子どもや女性だから、それらの人たちがたくさん殺されている。パレスチナ人の子どもや女性の死者の数はとても多い。ぜい弱性を持っていない人は暴力をふるわれづらいけど、それを持っている人は暴力をふるわれやすい。被害にあいやすいのである。

 世界のいたるところにぜい弱性を持った人たちがたくさんいる。たとえば学校の中だったら、いじめられっ子がいる。家庭の中だったら、親からぎゃくたいを受けている子どもがいる。いじめられっ子やぎゃくたいを受けている子どもは弱者だ。

 いじめっ子やぎゃくたいを行なっている親は、強者だ。イスラエルパレスチナの関係においてはイスラエルに当たる。

 比ゆとして、イスラエルパレスチナのことを、学校や家庭になぞらえて見てみたい。それらになぞらえてみると、学校において弱者に暴力がふるわれないようにして行く。いまの日本の憲法でいわれている人権を守って行く。憲法でいわれる人権をしっかりと守って行かないと、学校においてはいじめがおきてしまう。憲法の三つの柱のうちの一つなのが基本的人権尊重主義である。

 家庭においてはその中の弱者がいる。子どもや老いた人がいる。家庭の中では、子どもや老いた人は弱者に当たることがあり、暴力がふるわれることがある。人権がしんがいされてしまう。人権が守られるようにして行かないと、家庭の中で弱者に暴力がふるわれることになってしまう。

 具体論としては、イスラエルパレスチナに暴力をふるうことをいっこくも早く止めさせたい。具体からやや離れて抽象論によってみると、イスラエルにかぎらず、世界の中のいたるところにいる、ぜい弱性をもった人たちに暴力がふるわれないようにして行きたい。

 ぜい弱性をもった人たちは世界中にたくさんいて、たとえば学校の中とか家庭の中にいる。そこにおいて憲法でいわれる人権が守られているのでないと、学校の中であったり家庭の中であったりで弱者に暴力がふるわれることになる。

 イスラエルパレスチナにおいていったい何がおきているのかでは、そこで暴力がふるわれることがおきている。暴力がふるわれる点では具体論だけではなくて抽象論で見ることもできて、イスラエルパレスチナに限定化しないとらえ方がなりたつ。世界の色々な所で広くおきているのが暴力の現象だ。

 世界でたくさん起きているものである暴力の現象を少しでも少なくして行く。少しでも止めて行く。そのためには憲法でいわれる人権が軽んじられないようにして、それが守られるようにすることがいる。

 暴力がふるわれてしまいやすいぜい弱性をもった弱者のもつ人権がしっかりと守られるようにして行きたい。とりわけぜい弱性をもった弱者にとって大きな意味あいをもつのが、切り札(trump)としての権利だ。切り札性をもつ権利に当たるのが、憲法でいわれる人権である。

 参照文献 『現代思想を読む事典』今村仁司編 『暴力 思考のフロンティア』上野成利(なりとし) 『超訳 日本国憲法池上彰(いけがみあきら) 『究極の思考術 あなたの論理思考力がアップする「二項対立」の視点十五』木山泰嗣(ひろつぐ) 『よくわかる法哲学・法思想 やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ』ミネルヴァ書房 『いじめを考える』なだいなだ 『徹底図解 社会心理学 歴史に残る心理学実験から現代の学際的研究まで』山岸俊男監修 『構築主義とは何か』上野千鶴子編 『カルチュラル・スタディーズ 思考のフロンティア』吉見俊哉(よしみしゅんや)