ロシアや中国が日本に攻めてくる。防衛を高めないとならないと言われている。
防衛といったさいに、自分たちの国の土地を守るのがある。土地はいったいだれのものなのだろうか。だれの持ちものなのだろうか。
侵略(invade)するさいに、他の土地をうばう。侵略者(invader)が土地をうばう。
日本とアメリカは友好な国どうしだが、アメリカは日本に侵略しつづけている。アメリカは日本に軍事の基地を置いていて、アメリカに有利な決まりをとっている。日米地位協定では、アメリカに有利なようになっていて、それが改められていない。
アメリカは日本にとっての侵略者だといえる。アメリカに侵略されつづけているが、日本はそれにたいして文句を言っていない。むしろ、アメリカにありがとうと言っているくらいだ。アメリカからの侵略でいちばん害をこうむっている沖縄県に、きちんと目が向けられていなくて、(沖縄県からの)声が受けとめられていない。
アメリカは日本の外にいて、外から日本の土地を侵略している。日本の内では、内において土地をうばい合う。土地のうばい合いの争い合いがこれまでに行なわれてきた。
日本の国の、すべての土地は、国の持ちものだ。国がそう言えるのは、国が軍事の力を持っているからだ。その地域の暴力を独占しているのが国なので、そこの土地を自分たちのものにできる。
かつての日本は、ほかの国の(他国の)土地まで、日本のものだとした。植民地主義をやったのが日本であり、ほかの国の土地まで、自分たちの持ちものだとした。拡張主義や膨張主義だ。
自分たちの持ちものだとしていたのが、じっさいにはそうではなかったとなったのが、日本が戦争で負けたときだ。戦争で負けたことによって、日本が持っていた土地の持ち分が小さくなった。
侵略と非侵略を、きっちりと区別することはできづらいものだろう。国の外だけではなくて、国の中でも土地をめぐって争い合いがおきつづけてきたのがあるから、国の外から内へのことだけではない。
日本の中にアメリカの軍事の基地があるのは、侵略なのか非侵略なのか。アメリカは日本の国の土地の一部をうばい取っているのがあり、それを侵略と見ることがなりたつ。アメリカは日本を侵略しているけど、日本はアメリカにさからえないから、アメリカにたいして文句を言えていない。感謝してしまっている。
アメリカの軍事の基地が日本の国に置かれているのはよくないことだ。日米地位協定も改めないとならない。形としては、アメリカが日本を侵略していなくて、非侵略のようになっているけど、(形としては)非侵略であっても悪さがあることがわかる。
侵略することは悪いことだが、非侵略だからといって良いとはいえず、非侵略もまた悪い。非侵略であっても、国家主義(nationalism)によっているのなら悪い。日本の国が、沖縄県を力によってごういんに支配して、国が県に言うことを聞かせるのはよくないあり方だ。
国の内を見てみると、国家主義によって、上から下に支配するのがある。国の外の、アメリカの軍事の基地を、日本の国の内に置く。国がそれをあと押しして、国が上から県にむりやりに言うことを聞かせる。これは侵略とも言えるし、侵略ではないとも言えるけど、いずれにしても悪いことだ。
排除と包摂の点から侵略を見てみると、国の外からの侵略を防ぐのは、外を排除することだ。侵略を防ぐために、排除をするのは良いことなのかといえば、そうとは言い切れそうにない。
排除の点では、国の内において排除をしてしまっているのがある。反権力の人を排除する。反権力の声を排除する。国の内で上が下に言うことを聞かせるのは、包摂ができていない。包摂をするためには、反権力を排除しないようにして、下からの声をしっかりと聞いて受けとめることがいる。
国の外からだけではなくて、国の内において、侵略のようなことで、土地をめぐる争い合いがある。国の内において矛盾がいろいろにあるのだ。国の外からの侵略をふせいで、国の内にある土地を守ればすむことではなくて、国の内にあるいろいろな矛盾を見て行かないとならない。国の内の、全体と部分や大局と局所(局部)とのあいだの対立などを見て行く。
日本の国の内では、内にある土地について、日本人どうしが仲よく和によってやっているのではない。国の内において、土地をめぐるいろいろな争い合いがおきつづけている。適した土地の使い方ができていないのがいろいろにあり、自然の破壊などのいろいろなまずさがある。排除のまずさがあり、包摂ができていないのがあり、そこを改めることがいる。
国の外からの侵略を防ぐのだったら、アメリカが日本に軍事の基地を置くのをやめさせたり、(軍事の基地を置くのにしても)日米地位協定を改めたりしないといけない。日本は、アメリカを排除しないとならないけど、その逆にアメリカを包摂している。日本が何を排除しているのかといえば、反権力や、沖縄県の(基地に反対の)声だろう。日本は、包摂するべきものを排除してしまっていて、排除するべきものを包摂してしまっているところがある。排除のしかたや、包摂のしかたがおかしいのが日本だ。
参照文献 『京大芸人式日本史』菅広文(すがひろふみ) 『社会的排除 参加の欠如・不確かな帰属』岩田正美 『リヴァイアサン 近代国家の思想と歴史』長尾龍一
