日本の国が他国から侵略されるおそれと、日本の国が他国(他地域)を侵略して支配したこと

 日本の沖縄が中国に侵略される。沖縄が中国によってのっとられる。それを危ぶむ声がツイッターのツイートで言われていた。ツイートで言われているように、沖縄が中国に侵略されたりのっとられたりすることははたしてあるのだろうか。

 日本の隣国である中国によって沖縄がうばわれてしまう。それを危ぶむことがあるが、そこでとり落とされてしまっているのは、それいぜんのそもそもの話として、沖縄を日本が侵略してのっとったことではないだろうか。

 もともと沖縄は琉球王国だったのがあり、独立した地域だった。固有の文化をもつ。それを日本の国が無理やりに強引に日本の国の中にくみ入れた。そのいきさつがあることをくみ入れられるとすると、沖縄は日本の国の一部であるとすることにまったく何のうたがいようもないような非の打ちどころのない完ぺきな自明性があるとは言い切れそうにない。

 沖縄と同じように北海道にももともとアイヌの民族の人たちが暮らしていたが、そこを沖縄と同じように無理やりに強引に日本の国の中にくみ入れたのがある。アイヌの民族の人たちは固有の文化をもち、固有の暮らし方があった。それができなくなってしまった。それまでに送っていた暮らしのあり方をこれから先もつづけて行くことができなくなり、かってにその権利を日本の国がうばってしまったのである。

 北の北海道と南の沖縄は、厳密にはもともと日本の国の一部ではなかったのがあり、そこから低い位置づけのものにされてしまう。それが見られるのが、沖縄にとくにアメリカの軍事基地が集中してしまっていて、日本の全国にあるアメリカの軍事基地のうちの七割くらいが沖縄に集中してしまっているとされる。

 中国からの侵略をうれうよりも前に、やらなければならないこととしては、日本の国の中でおきてしまっている階層(class)の格差を少しでも改めて行くことだろう。北海道や沖縄は日本の本土よりも劣っている階層だとされているのがあり、そのことをおもてにとり上げて行きたい。そこから来ているのがアイヌの民族の人たちの権利をかってにうばったことや、戦争のさいに沖縄においてとりわけ大きな被害がおきたことだ。

 戦争においては沖縄はアメリカの軍隊と地上戦を戦わせられた。近代の戦争において地上で戦うことはきわめてひさんなことになるのがあり、それが沖縄で見られた。日本の軍隊は日本の国土の内でそれまでに戦争をした経験をもたず、他の国を侵略する戦争の経験しかもっていなかった。日本の国の内で戦争を行なうゆいいつの経験となったのが沖縄であるという。

 沖縄でアメリカと戦った日本軍は上の地位についていた人間が愚かだったのがあり、もしも上の人間が賢ければおきなくてもすんだ害がよけいに沖縄でおきてしまうことになった。日本の軍の上の人間が沖縄での戦いの中で愚かな命令を下したために、下の人間の命がよけいに失われることになったのである。日本の国や軍には下の人間の命を大切にする発想がいちじるしく欠けていた。下の人間の命は宝だとする発想がなかった。

 およそ三ヶ月ほどの戦いの中で、県のすべての人口が約四十五万人ほどいて、その三分の一より以上の死者が出たという。県民の三人に一人くらいが戦いで亡くなったことになる。県のすべての世帯に犠牲者が出たのがあり、犠牲者が出ない世帯はなかったとされるほどのきわめてひさんな戦いだった。

 戦前や戦時中は天皇制によって天皇が神とされていて、国民は洗脳されていて心脳が操作されてしまっていた。沖縄は日本の本土に強制に同化させられていたのがあり、天皇制で天皇を神だとするまちがったあり方に避けがたく巻きこまれた。国家主義(nationalism)による上からの洗脳の教育が大きくわざわいしたのである。日本の国は国民の心の内面にずかずかと入りこんで国民の心脳を操作しようとする悪いくせをもつ。

 戦争では沖縄にはとりわけ大きな害がおきてしまったのがある。本土よりも低い階層に位置づけられていた沖縄が本土を守るための時間かせぎの捨て石にさせられてしまったからである。本土を守るために沖縄だけを孤立化させて無援となった中で戦わせた。

 これまでの歴史の流れの中で、沖縄にアメリカの軍事基地が集中してしまっているのはそのままにしてよいことではないから、少しでも負担を減らすことが必要なことだろう。より先決に何とかしなければならないこととしてはそれがあるのがあるから、それを何とかすることが先にあることがいる。

 参照文献 『ひめゆり沖縄戦 一少女は嵐のなかを生きた』伊波園子(いはそのこ) 『日本史の考え方 河合塾イシカワの東大合格講座!』石川晶康(あきやす) 『勇気凛凛ルリの色』浅田次郎 『日本の難点』宮台真司(みやだいしんじ) 『心脳コントロール社会』小森陽一ナショナリズム(思考のフロンティア)』姜尚中(かんさんじゅん)