かつての自国のまちがい(の一部)を謝れるアメリカと、謝れない日本―日本はアメリカよりも劣っている

 アメリカにいた日本人にたいして、ひどいあつかいをした。そのことを、いまにおいて謝罪する。アメリカの民主党ジョー・バイデン大統領は、戦争のさいにアメリカにいた日本人へのあつかいをとり上げて、謝罪をしていた。

 第二次世界大戦のさいの、アメリカにいた日本人への悪いあつかいをバイデン大統領は謝ったが、このことについてをどのように見なせるだろうか。バイデン大統領が謝罪をしたのは、アメリカが民主主義のあり方をとっていることをしめす。

 まちがったことをしたことについて、謝罪を行なう。そうすることによって、謝ったものがよりよいあり方になれる。より成長できる。

 アメリカはなぜかつての日本人への悪いあつかいを謝ったのかといえば、中国とのあいだにちがいをつけようとしているのがある。アメリカは、中国とはちがうのだぞといったことをしめす。中国とはちがって、われわれアメリカは、きちんと自国の過去のまちがいを認めて謝れる。

 アメリカと中国を比べて見てみると、どちらの国も、かつての自国のまちがいをまったく認めないで、自国がやったことの正当化や合理化をするだけなのであれば、どちらの国も同じだ。どちらの国もたがいに類似性をもつ。中国と類似性をもつのではよくないから、そこに差をつけるようにすれば、そこに差異がおきる。

 さすがに中国とまったく同じあり方の類似性によるのではまずいから、そこに差をつけたい。差異によるようにしたい。そういったこともあり、民主主義によるようにして行く。個人の基本の人権(fundamental human rights)を重んじて行く。そのあり方をバイデン大統領は示したかった。それで、かつての日本人への悪いあつかいを謝った。

 国どうしを比べて見てみると、アメリカはかつての自国の非の一部を認めて謝っているだけ、うわ手である。アメリカよりもていどが低いのが中国や日本だ。中国や日本は、アメリカのことを見習って、自国のかつてのまちがいをきちんと認めて行くべきだろう。

 まったく十分だとは言えないにせよ、たとえ一部ではあったとしても、アメリカはかつての自国の非を認めて謝っている。中国はそれができていないし、日本もまたできていない。中国のことはさしあたって置いておくとして、日本はかつての自国のまちがいを認めようとしないし、謝れていないので、アメリカのように、自国がより向上や成長できていない。

 それほどには向上や成長ができていないのがアメリカだが、そのアメリカよりももっと劣っているのが日本の国だろう。日本の国の政治は、右傾化がいちじるしいので、国として向上や成長することができなくなっている。自国が謝ることを、こばんでしまっているからだ。日本よりはまだいくらかはましなのがアメリカだと言えるだろう。日本はアメリカよりも劣っていることをきちんと自覚をするべきである。

 参照文献 『知識ゼロからの謝り方入門』山口明雄(あきお) 『原理主義と民主主義』根岸毅(たけし) 『右傾化する日本政治』中野晃一 『歴史 / 修正主義 思考のフロンティア』高橋哲哉