柔軟性を欠き、(隣国にたいして)硬直なあり方しかとれない、いまの与党のおかしさ

 防衛相は、韓国の国防相と笑顔で握手をかわした。そして会談をした。

 日本と韓国とのあいだには、日本の自衛隊と韓国の海軍とのあいだで、レーダー照射の問題をかかえていて、まだ決着がついていない。そのことはとりあえずわきに置いておいて、お互いの国が前向きにつき合えるようにする。

 個人的なことを言わせてもらえば、日本の防衛相の行なったことは、きわめて妥当なことだ。そう見なせるものだが、防衛相にたいして、身内である自由民主党の議員から批判や抗議の声がおきている。

 防衛相が、身内である自民党の議員から批判や抗議を受けるのは、自民党の身から出たさびだ。このおかしさは、首相が、これまでに北朝鮮に圧力の一辺倒だったのにもかかわらず、一転して、無条件の対話を呼びかけていることに通じる。北朝鮮からは、首相のことについて、ずうずうしいと批判されている。

 首相が、これまでとはうって変わって、北朝鮮に(圧力ではなく)無条件の対話を呼びかけているのだから、韓国にもまたそうしたらよいのではないだろうか。北朝鮮にたいしては無条件の対話を呼びかけて、なぜ韓国にたいしては硬直した態度をとるのだろうか。

 自民党は、過度の右傾化や大衆迎合主義(ポピュリズム)というきわめて副作用の強い手段を使ってしまっているので、そこから、自分たちの中からさびが出てきてしまっている。隣国を含めて外交というのは、穏当に進めるべきものであって、過去にペーソスを、未来にユーモアを、といったふうにするのがふさわしい。これは作家の星新一氏の言っていることだ。このようにすることがふさわしいのだから、防衛相の行なったことはまちがったことだとは言えそうにない。

 参照文献 『スター・ワーズ 星新一の名言一六〇選』江坂遊(えさかゆう)