ロシアとウクライナの戦争と、戦争を止めるやり方―棚上げにする手もある

 ロシアとウクライナのあいだで戦争がおきている。

 ロシアはウクライナに戦争をしかけて、ウクライナにある原子力発電所を占領して、そこに攻撃をしかけている。原発で事故がおきかねないことになっている。

 原発の事故がおきかねないのがあるので、戦争を何とかしてはやくに止めたいものである。そのためにはどうすればよいのだろうか。

 戦争を紛争だといえるとすると、紛争を解決することがいる。紛争の処理がいる。そのさい、どちらが悪くて、どちらが正しいのかについてを、さしあたっては棚上げにすることがいることがある。

 どちらが悪いのかでいえば、ロシアが悪い。ロシアが悪いのがあるから、つり合いの正義(矯正の正義)からすると、ロシアが損や害を受けることがいる。おかした罪にたいする罰を受けないとならない。

 応報律としては、悪いことをしたほうが、罰を受けることがいる。悪いことをしても、罰を受けないのでは、つり合いがとれず、不つり合いになる。

 つり合いの正義からすると、つり合いをとることがいるけど、それは理想論にとどまることがある。現実論としては、つり合いをとることができづらい。悪いことをしても、罰を受けない。むしろ悪いことをして得をする。そういったことがしばしばある。

 現実論によるのであれば、つり合いをとることはとりあえず棚上げにして、不つり合いになっているままであったとしても、とにかく紛争を片づけることをもっとも優先させる。紛争を片づけることをもっとも優先するのであれば、不つり合いなままでもしかたがないとする手もある。

 なにが大事なことなのかといえば、とにかく目の前にある紛争を何とかすることがいり、戦争を止めないとならない。どのように戦争を止めるのかでは、そのやり方(how to)として、つり合いをとることはさしあたっては棚上げにして、不つり合いなままであったとしても、紛争を片づけてしまう。

 目の前にある紛争を片づけることは、不つり合いになっていることのつり合いをとることにはつながらない。不つり合いになっていることのつり合いをとることの目的は達せられないけど、たとえ不つり合いになったままであったとしても、紛争を止めることはいちおうはできる。

 不つり合いになっているのは悪いことではあるけど、不つり合いになっているのを放ったらかしにしたままで、目の前の紛争だけはとりあえず止めるようにする。これは経済学の合理的期待形成の理論でいうところの、部分の最適化(local optimal)だ。全体の最適(global optimal)ではない。

 ロシアが悪いのだから、ロシアが戦争から手を引くべきであり、なおかつロシアが罰を受けないとならず、ロシアが責任をとらないとならない。それらがきちんと満たされるのは全体の最適だ。いきなり全体の最適にもって行くのはむずかしいことがある。

 全体の最適にはいたらないけど、部分の最適化だけをはじめにやってしまう。全体の最適は難易度が高いことがあるけど、部分の最適化はそれよりも難易度が低い。

 部分の最適化としては、つり合いはとれなくて、不つり合いなままになってしまうけど、目の前にある紛争を止めることをもっとも優先させる。とりあえず戦争が止まればよいのだとする。戦争を止めることができても、不つり合いなままになっていて、それが放ったらかされてしまうけど、戦争が止まらないままであるよりはまだいくらかはよい。部分の最適化にはなっている。そう見なすことができるだろう。

 現実論としては、紛争を片づけるためには、部分の最適化を選ぶことがあり、それを選ぶしかないことがある。部分の最適化によるのだと、紛争はいちおう片づくけど、正義にはあまりなっていない。それほど正義にはなっていない。不つり合いなままになってしまうからだ。

 不つり合いになっているのを、棚上げにして、カッコに入れてしまい、部分の最適化だけをやってしまうやり方もある。棚上げにすることがいるのは、逆にいえば、棚上げにしないことによって、ぶつかり合いがおきてしまい、争い合いがおきてしまう。

 棚上げか戦争(紛争)かといったようなところが、国どうしの関係性にはあるから、戦争よりも棚上げのほうを選ぶことは、国どうしのつき合いの中ではありだろう。棚上げにしないのだと、力で決着をつけるといったことになってしまうところがあるから、危なさがある。

 参照文献 『文学の中の法』長尾龍一 『ブリッジマンの技術』鎌田浩毅(ひろき) 『最後に思わず YES と言わせる最強の交渉術 かけひきで絶対負けない実戦テクニック七十二』橋下徹 『職業は武装解除』瀬谷(せや)ルミ子 『究極の思考術 あなたの論理思考力がアップする「二項対立」の視点十五』木山泰嗣(ひろつぐ) 『思考の「型」を身につけよう 人生の最適解を導くヒント』飯田泰之(いいだやすゆき) 『十三歳からの日本外交 それって、関係あるの!?』孫崎享(まごさきうける) 『罪と罰を考える』渥美東洋(あつみとうよう)