二〇二〇年の東京五輪における、無償の労働と有償の労働―ちがいがあることがいる

 二〇二〇年に開かれる東京五輪では、無償のボランティアの力を借りている。ボランティアの人が行なうこととほぼ同じことが、有償でも募集されているのだという。

 ボランティアは無償の労働だが、それとほぼ同じことをやることが有償でも行なわれる。ほぼ同じことを行なうのにも関わらず、いっぽうは無償の労働だが、他方は有償の労働だ。

 このことがもしも正当化されるのだとすれば、やることにちがいがあることがいる。ちがいがなくて、ほとんど同じことをやるのにも関わらず、いっぽうは無償でやらされて、他方は報酬が支払われるのであれば、正義や公平の原則に反することになる。不当なものだ。修辞学でいわれる類似からの議論で見てみればそう見なせる。

 参照文献 『議論入門 負けないための五つの技術』香西秀信