ヘリコプターの物騒さ

 沖縄県の小学校の校庭に、上空から窓が落ちてきた。その窓は、重さが八キログラムもあるものだという。上空に飛んでいた、アメリカ軍のヘリコプターである CH53 の窓であり、それが落下してきたのだ。

 小学校の校庭には小学生の児童がいたが、さいわいなことに落下してきた窓に直撃することはなかった。窓の破片が体にあたって軽傷を負ったと思われる児童がいたが、確認をしたところけがはなかったそうである。

 このできごとについて、ウェブでは、ねつ造なのではないかとか、大げさにさわぎすぎだといった声が一部で投げられている。ねつ造かどうかについては、NHK や各種の大手報道機関で報じられているのがあり、そのおそれは低い。本当のことだと見てよいものだろう。

 アメリカ軍のヘリコプターの窓が、沖縄県の小学校の校庭に落下してきた。まず、これについては動かない事実と見てよさそうである。このアメリカ軍のヘリコプターは、沖縄の普天間飛行場に所属するものなのだそうだ。普天間飛行場はアメリカ軍によるものだ。

 窓を落下させたのにもかかわらず、なぜアメリカ軍に罰がくだされないのだろう。そこが引っかかる点である。何らかの罰がくだされないのであれば、また同じことがくり返されてもおかしくはない。再発防止の策をとることも欠かせないが、それとは別に、罰がくだされるのがいる。それがないと、応報律の点から見るとちょっとおかしい。ものすごい厳罰が与えられるのではなくてもよいだろうけど、まったくおとがめなしというのは腑に落ちない。

 沖縄県の小学校の校庭に窓が落下したことで、その小学校の関係者や、沖縄県に住む人たちに心理の悪影響を与えた。へたをしたら、直撃を受けて、人がけがを負ったか死んでいたかもわからない。これを重く見ないで軽んじてしまうのであれば、沖縄県とアメリカ軍(および日本政府)とのあいだに価値のずれがおきざるをえない。沖縄県は、アメリカ軍(および日本政府)にたいして信頼がもてなくてもまったく不自然なことではないと言えそうだ。