希望的観測にすぎなかった説明

 説明されたこととちがう。そのような声が、民進党の議員の人たちの一部からあがっている。もともとは、希望する人をみな、新党である希望の党へ合流させるつもりだった。しかし受け入れ先の希望の党の側がそれをこばむ姿勢を示している。あたかも踏み絵のようにして条件をつけてきているのだ。これでは聞いていた話とはちがうとの声をあげたくなるのもうなずける。

 捨てる神あればひろう神ありといったあんばいで、希望の党への合流がむずかしい、または合流を拒否している民進党の議員の人たちへ、さし伸べられる手も出てきている。共産党は、希望の党へ合流しない民進党の議員との、選挙での連携を投げかけている。

 希望の党は、民進党のとくに左よりの人たちを党には入れたくないようだ。いっぽう、民進党の左よりの人たちのほうも、希望の党への合流をしたくはないとして拒否している。お笑い芸人の明石家さんまさんのちょっとしたギャグに、「断る!」というのがあるけど、それをつい思い浮かべてしまった。

 希望の党への入党を名ざしでこばまれたのは、民進党に属する野田佳彦氏と菅直人氏である。野田氏と菅氏は、希望の党から門前払いをくらったようなものだ。まがりなりにも総理大臣をつとめたような人たちなのだから、もうちょっと最低限の敬意みたいなのを示してもよいのではないかという気がする。