ウイルスへの感染の広まりと、それへの対応を説明するさいのカタカナ語―語の内包(質)と外延(量)

 新型コロナウイルスへの感染が社会の中でおきはじめている中で、オーバーシュートやロックダウンやクラスターという語が説明の中で使われている。

 オーバーシュートは爆発的な感染の拡大をさすという。ロックダウンは都市の封鎖で、クラスターは集団感染を意味するようだ。

 これらのカタカナによる語は、それがどういう意味をあらわしているのかをはっきりとさせることがのぞましい。あいまいなままで使ってしまうと、意味がはっきりとはしてきづらい。その語の意味を知らない人が聞いたら、すぐには意味がわかってはこない。

 説明されていることの中で用いられている語についてを見てみるのは、その中で適した語が用いられているかどうかを見ることになる。どういう記号表現が用いられていて、それがどういう記号内容をあらわしているのかを見ることである。

 記号がさし示していることがはっきりとしていて、それがみんなに共有されているのであれば、誤解や食いちがいはおきづらい。記号がさし示している質と量がはっきりとしていなくてあいまいだと、それぞれの人が思いえがくことがちがってきてしまうから、共通の理解がなりたたなくなることがおきてくる。

 記号がさし示す質と量をはっきりとさせるようにして、その記号がどういう大きさをもっているのかを明らかにすればわかりやすい。大きい語と中くらいの語と小さい語があるから、大きい語なのであればそれがさし示す範囲(量)が多い。そのさいにはそれを切り分けるようにして、分割するようにすれば多少はわかりやすくなる。日本でいうと、そこには色々なものが含まれるが、それを分割すれば、東京都とか北海道とかまたは市町村といったようにより具体化や限定化される。

 参照文献 『現代哲学事典』山崎正一 市川浩編 『自分で考え、自分で書くためのゆかいな文章教室』今野真二(こんのしんじ)