世界の中心にあるとは言えそうにないのが日本の首都である東京都だ―中心と周縁

 日本よ、世界の中心で咲きほこれ。そんなことが言われているが、日本の国は置いておくとして、日本の首都である東京都というのは、世界の中心であるのはおろか、アジアの中心ですらないという。世界の中心でもアジアの中心でもないのが東京なのだ。

 日本の首都である東京は、世界でも有数の大都市ではあるが、アジアということでいっても、そこまで飛び抜けて高い威光(プレスティッジ)があるとは言えないのだという。さまざまな企業が東京を目ざすというよりは、す通りされることが少なくなく、それというのも東京はアジアの活力の中心にあるのではないからなのである。

 東京は、世界の都市の中でもっとも速い速度で高齢化が進んで行く。東京の中では高齢者がとても多くなって行って、高齢者のための医療や介護の施設の数が足りなくなる。東京やそのまわりの都市圏にいる高齢者は、困ることになるおそれがある。若者がたくさんいて活気のあるところが東京なのだとは、とても言えなくなるのだ。

 見たところは人々がたくさんいてにぎわっていて活気があって、建て物なんかの開発が行なわれているのが東京の都心部だが、そこまで安泰ということではないのはある。

 参照文献 『空き家問題 一〇〇〇万戸の衝撃』牧野知弘(ともひろ)