保守の点からは国益になるとしても、本末転倒になることがある。
国益になるかならないかを気にするだけでは足りず、本末転倒になるかならないかを十分に見ることがいる。
保守の点からすると国益になるとしても、本末転倒になっているのだとすれば、国益に反することになる。それはじっさいには国益にはなっていないのだ。
これが国のためになるとか、これは国のためにならないとかいうことがあるが、それが本末転倒になれば、プラスと見られたことがマイナスになって、マイナスと見られたことがプラスになる。必ずしもそう単純ではないということだ。
国にとってプラスになるという箱と、国にとってマイナスになるという箱は、はっきりと二つの箱に分けられるものではなく、そのあいだに引かれている分類線は大きく揺れているということになるだろう。
参照文献 『「本末転倒」には騙されるな 「ウソの構造」を見抜く法』池田清彦 『できる大人はこう考える』高瀬淳一 『高校生のための評論文キーワード一〇〇』中山元(げん) 『構造主義がよ~くわかる本』高田明典(あきのり)