野党に代案を求めることと、シンクタンクなどによる政策起業力を高めること

 与党にはさして期待をかけづらい。野党にはもっと期待ができない。与党に代わりえるような魅力のある案を、野党は示すべきだ。そうしないと、野党が国民から選ばれるようになることはない。

 かりにいまの与党が駄目なのだとしても、野党はそれと同じかそれ以上に駄目だ。野党はもっとがんばらないと駄目だ。

 与党と野党ということで見ればそう言えるかもしれないが、そうではなくて、与党と野党ではないところが弱いことのまずさがある。

 いまの日本は、報道の自由度が落ちている。報道がもっと自由になって、活性化することがいる。それにくわえて、日本ではシンクタンクの力が弱いと言われている。これをもっと高めて行くことがいるのではないだろうか。

 国民にとってよい案というのは、報道や分析がどれだけ力をもっているかによるのがある。それらの力が高ければ、よい案をとりやすい。それらにたずさわるのが報道機関やシンクタンクや、学術でいえば大学などだ。そういったものの力が高まって、資源として活用されるようになれば、よい案をつくる助けになる。

 報道が弱くて、分析も弱い、または、それらの(学術の研究を含めた)資源があったとしても、すくい上げられていなくて活用されていない。そういうことであれば、与党がどうとか野党がどうとかと言ってもはじまらないのではないだろうか。目だちやすい中心だけではなくて、周縁や辺境にまで光を当てて目を向けるようにして、国民にとってよい案となるものを探って行くことができればのぞましい。

 参照文献 『シンクタンクとは何か 政策起業力の時代』船橋洋一 『民主主義という不思議な仕組み』佐々木毅(たけし)