外務省と令和(上からの命令によって空気を読まされて、和の拘束がはたらく)

 外務省は、元号による和暦をやめて、西暦だけを使うことを検討した。外務省では、外では西暦を使い、省内では和暦を使うという二重のあり方になっているようで、これを西暦に一本化することで合理的になって効率がよくなる。まちがいが少なくなる。

 外務省のもくろみに、与党の自由民主党や政権から待ったがかかったという。西暦に一本化するのは駄目だという異論が出たことから、外務省のもくろみはできづらくなったと報じられている。

 このことは、まさに新しい元号である令和ということを体現したできごとだと見なせるかもしれない。外務省がもくろんだことにたいして、その上に立つ自民党や政権の令(命令)が下されて、外務省は空気を読まされた。忖度させられた。和の拘束がはたらいたのだ。

 外務省は、西暦を使うことで一本化することを検討していたのだから、それがよいことかどうかを争点化することはあってよいことだ。よいか悪いかを議論をして、よいほうをとればよい。議論もせずに、自民党や政権から異論が出ただけで、一本化することを引っこめてしまうのは残念だ。合理性や効率性よりも、空気を読んで忖度して和の拘束にしばられることをとったと見なせる。

 参照文献 『「六〇分」図解トレーニング ロジカル・シンキング』茂木秀昭