アメリカによる世界保健機関からの脱退の表明

 世界保健機関である WHO を脱退する。アメリカのドナルド・トランプ大統領はそう表明したのだという。

 はたしてトランプ大統領の脱退の表明は、ふさわしい政治の行動であるということが言えるのだろうか。正しい政治の判断だということになるのだろうか。

 世界保健機関アメリカとのあいだでぶつかり合いがおきている。これを紛争がおきているのだと見られるとすると、二つの主体のあいだでもめている。そこでアメリカがとった手段が脱退をすることである。

 紛争がおきているのがあるとすると、その争点をなるべくはっきりとさせたい。争点がうやむやだったりそのままにしたりしたままで脱退をするのではなくて、争点を明らかにしたうえでそれを解決するようにして行く。そうすることができればよいが、そうではない方向にアメリカは向かおうとしている。

 あえて間を置くようにして、科学のゆとりをもつようにしたい。そのゆとりをもつようにすることができるとすると、世界保健機関アメリカのどちらの主体にとってもたがいに益になるようなことが見いだせないではない。うまくすればどちらの主体にとっても益になるようなことが見つかるかもしれないから、そうすることができれば、もっともふさわしいものである大局の最適に近いことができるかもしれない。

 アメリカがとった脱退の手段は、もっともふさわしいものである大局の最適にはなっていなくて、局所の最適化のわなにはまってしまうようなものであるおそれがある。そこに気をつけるようにすることがいる。わなにはまらないようにするためには、何を目的としていて何を手段とするのかの目的合理性を見て行きたい。それで手段を目的化してしまうのではなく、なるべく目的を主とするようにするのは一つの手だ。

 参照文献 『十三歳からのテロ問題―リアルな「正義論」の話』加藤朗(あきら) 『逆説の法則』西成活裕(にしなりかつひろ) 『思考の「型」を身につけよう 人生の最適解を導くヒント』飯田泰之(いいだやすゆき)