報道の情報における最適性と効用―情報の主観価値(受け手による価値づけ)

 NHK などの、大手の報道機関から一方的に送られてくる報道の情報がある。それらと、ウェブで受けとれる情報をひき比べてみる。それらを比べると、受け手にとって情報が最適化されているかどうかのちがいがある。

 NHK などの大手の報道機関による情報では、とくに放送による報道にはそれが目だつのだが、受け手にとって情報が最適化されていないと見なせることが多い。

 NHK などの大手の報道機関は、いわば最大公約数による報道をしている。それにくわえて、放送による報道では、言論法である放送法によって、時の権力から放送の内容に干渉を受ける。時の権力からけちをつけられるのだ。時の権力からの介入を受ける。

 大手の報道機関で、とくにテレビやラジオなどの放送による報道であると、情報の接近が時系列(シークエンシャル)による。時系列とは、受け手が自由に選びとれるのではなくて、送り手である報道機関が決めた順番に従って情報を受けとらせられるものだ。それがあるために、受け手にとって情報が最適化されなくなる度合いが大きい。

 ウェブはどうかというと、自分で受けとりたい情報を受け手があるていど自由に選べる。それに、ウェブでは活字の情報があるので、情報の接近が気まま(ランダム)なのがある。気ままだと、受け手が自由に順番を選べる。これによって、より受け手が価値を感じる情報に接しやすい。そこから、受け手にとってより最適化された情報を受けとりやすい。

 報道の情報を受けとることを見てみると、NHK などの大手の報道機関よりも、ウェブから情報を受けとるほうが、より受け手にとって最適化されたものになりやすく、効用が高くなりやすいということが言えるだろう。

 大手の報道機関は、受け手にとっての最適性や効用というものに、少しくらいは気を使ってみてはどうだろうか。ただたんに時の権力に逆らわずに従ってさえいればよいというのでは、工夫がなさすぎるように見うけられる。民主主義をよくすることにつながっていない。NHK にはとくにそれを強く言いたいものだ。

 参照文献 『自分でできる情報探索』藤田節子 『新聞の読みかた』岸本重陳(しげのぶ)