いまの政権やいまの与党に見うけられる、有限な国会での時間を湯水のように無駄にするような、重点となる結論を最後(後方)にもってくる駄目な説明のしかた(とりわけ首相は、牛のよだれのようなだらだらとした長いわりに中身のすかすかな説明をしがちだ)

 国会において、時間を無駄につかう。それは国民の誰一人としてのぞんでいないことだ。与党である自由民主党の議員は国会においてそう言っていた。

 たしかに、国会のやり取りにおいて時間をできるだけ無駄にしないようにすることは、多くの国民がのぞんでいることではあるだろう。与党の議員が言うように、時間を無駄にしないことはいるが、そのためには何をするべきなのか。

 いまの与党による政権には、時間や労力の節約ということがなく、時間を引きのばすことによってものごとをうやむやにしようとする企みが見うけられる。このことによって時間や労力が無駄に使われてしまっている。

 いまの政権は説明責任(アカウンタビリティ)を十分に果たしていない。説明ということには二つのものがあると言い、演繹の説明と帰納の説明があるという。演繹の説明では結論が最初にくる。帰納の説明では具体例が先にきて、結論はいちばんあとだ。

 時間を無駄にしないようにするためには、演繹の説明をするべきである。これがまったくできていないのが、いまの首相による政権だ。やろうとする気がかいま見られない。政権に時間を節約する気がないのとともに、日本語の特性もまた関わってくる。英語では主語や動詞などの大事なものが最初にくるが、日本語ではあとにくる。はいかいいえかが最後にならないとわからないからあいまいになりやすい。

 日本語の負の特性もくみ入れるようにして、演繹の説明を行なうようにする。重点となる結論を先行させて、最初にもってくるようにすれば、時間を無駄にしない説明になりやすい。これを行なおうとはせずに、わざと時間を引きのばすために、重点となる結論を後方に置いて、最後にもってきたり、あいまいにしたりするのは、国民の益になるとは言いがたいものだ。いまの政権やいまの与党は、この点についてとくに気をつけるようにしたらどうだろうか。

 参照文献 『思考を鍛える大学の学び入門』井下千以子 『「優」をあげたくなる答案・レポートの作成術』櫻田大造 『やさしい英字新聞入門』天満美智子 エリック・ベレント 『節約精神』中谷比佐子 『文章トレーニング』白井健策