与党の国会議員の選挙にまつわる不正と、政治の腐敗―政党どうしのあいだの競争の欠如

 自由民主党の国会議員が、選挙における不正の疑いで起訴された。

 自民党による長めの期間の政権がつづいていることによって、政治の腐敗がおきている。その腐敗があらわれ出ているのだと見なせる。

 まちがいなく不正をおかしたのだとは断言することはできないのはあるが、国民にたいして十分に納得ができるだけの説明責任を果たすことがなければならない。国会議員は公人なのだから、十分に国民から納得を得られるだけの説明をできるかぎりする責任を負う。きびしく見なすとすればそう言うことができる。

 政治の腐敗がおきているのは、一党が長いあいだにわたって政治の権力を持ちつづけることによって、政党のあいだの競争が欠けてしまうことによる。

 絶対の権力は絶対に腐敗するのだとジョン・アクトン(アクトン卿)は言っていて、政治の権力者をたてまつることのまちがいを警告している。

 戦後から自民党は長いあいだにわたって政治の権力を握りつづけてきたが、そのことによって政党のあいだの競争が行なわることがはばまれてきた。それがいまにおいても引きつづいてしまっていて、一強のあり方となっている。

 自民党が強いという一強のあり方だと、政党どうしの競争が見こみづらいので、政治の腐敗につながってしまう。それが改められることがあればよい。とりわけいまの政治の小選挙区制によるあり方だと、自民党の党の中心に力が集まりやすくなっていることで、求心性が強いから、それだけより腐敗がおきてしまいやすい。

 参照文献 『若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!? 三五歳くらいまでの政治リテラシー養成講座』森川友義(とものり)