よい政策は、よいだけなのか―プラスとマイナスの面があるととらえられる

 政策をよしとするさいに、気をつけないとならないことは色々とあるだろう。

 まず、ある政策をよしとするさいには、よいか悪いかというふうに二分法で見るのは必ずしも適したことだとは言い切れない。よいだけとか悪いだけといったことはあまりないことだろう。

 よい政策だとされていることであっても、よいというだけではなくて悪い面もまたある。その悪い面が見落とされているとまずい。そこを見落とさないようにして、利点だけではなくて欠点もまた見ないとならない。利点だけを言うのは危ないし、欠点だけを言うのもまたまちがいになりかねない。

 政策をよしとするさいには、それが必要条件なのかどうかがある。必要条件というのは、どうしてもそれで(が)なければならないものだ。これは、何々であらねばならないとか、そうでなければならないという思考だ。

 ねばならないの思考は、必ずしも適していないことが少なくない。そうではなくてもよいこともまたあるから、ねばならないの思考である硬派だけではなくて、そうではなくてもよいのではないかという軟派でもいちおう見ておいたほうがよいだろう。

 ある政策が、何が何でもそれをしなければならないというのであれば、それは硬派だ。硬派であれば必要条件に当たるけど、軟派なのであれば必ずしも必要ではないことを示す。何が何でもそれでなくてはならないというのではなくて、場合によってはそれでなくてもよいことを示している。

 軟派などはけしからんことだというのは、硬派による見かたであって、硬派というのには欠点があることもまた無視することができづらい。手段の目的化になってしまう危なさがある。そこに気をつけるようにして、手段の自己目的化にはならないようにして、硬派だけではなくて軟派でも見てみたほうが、つり合いは取りやすくなることが見こめる。

 参照文献 『実践ロジカル・シンキング入門 日本語論理トレーニング』野内良三(のうちりょうぞう) 『目のつけどころ(が悪ければ、論理力も地頭力も、何の役にも立ちません。)』山田真哉(しんや) 『できる大人はこう考える』高瀬淳一 『自己変革の心理学 論理療法入門』伊藤順康(まさやす)