公文書の改ざんをするくらいなのだから、改ざんを大したことがないとするのも想定できないことではないが(じっさいには重大なことである)

 公文書の改ざんは、そんなに大したことではない。悪質ではなく、軽いことである。白いものを黒くしたわけではない。財務相はそう言っていた。これは、公文書の改ざんを矮小化するものだという印象を受ける。三〇〇か所も公文書を改ざんしているのはゆるがせにはできづらい。

 財務相は、たんに国会での答弁に合わせて公文書を改ざんしただけだとしている。おもうに、公文書の改ざんに、悪質なものとそうでないものとがあるのではなく、そのすべてが悪質なものだろう。悪質ではない公文書の改ざんというのは、嘘をつかない与党政治家(要職についている与党政治家)と同じように、ありえないことなのではないだろうか。

 公文書の改ざんは、白いものを黒くしたのではないと財務相は見なしているが、そうではなくて、公文書の改ざんという黒いものを、財務相を含めて政権与党が白くしてしまっているのである。白いものだととらえてしまっている。じっさいには白いのではなく、まっ黒であるのにほかならない。誇張が入ってしまっているかもしれないが、常軌を逸したまっ黒さだ。