いまの政権やいまの与党は、長期の利益をないがしろにして、目先の短期の利益に目がくらんでいるような気がしてならない

 統計の不正や統計の悪用が、いまの政権にはとり沙汰されている。そのほかにもいまの政権には疑惑があるが、これらのことについて、長期の利益をないがしろにしてしまっているのがある。長期の利益とはおもに法を守るということだ。それがないがしろになって、短期の利益を政権はとっている。

 国にとっての長期の利益をきちんととるのであれば法治主義や法の支配(基本的人権尊重主義)となるが、短期の利益をとることによって人治主義になっている。人治主義となることで、国における時の権力の空気を読んで忖度する者をえこひいきするようになっている。

 前の自由民主党の総裁選で、候補者の石破茂氏は、正直と公正ということをかかげていた。これは長期利益として法を守るのをよしとしているのを示している。建て前ではあるだろうけど、このあり方は政治家(statesman)としてふさわしいものだろう。そのいっぽうで、いまの政権は中身においては政治家というにはほど遠く、目先の短期の利益に目がくらんでいるために、政治屋(politician)になり下がっていると言うしかない。

 参照文献 『日本人を考える 司馬遼太郎対談集』 『文学の中の法』長尾龍一 『「法の支配」とは何か 行政法入門』大浜啓吉