いまの与党である自由民主党の議員が引きおこしたとされるもめごとと、それに言及した議員が引きおこした、批判がおきかねない発言

 女性との性行為によって、女性から訴えられたのが、自由民主党の議員だ。この議員は自民党を離党することを願い出て受理された。

 この議員が属する会派では、こうしたことが言われたという。会派の会長にもめごとのあいさつをさせることがないように、気を引きしめないとならない。たとえ同じことをやるにしても、問題にならないようにやらないと駄目だ。

 性行為をするさいに、あとで問題にならないようにすることがいるということは確かだ。それとともに、もめごとをおこした議員に言及するさいに、問題がおきかねない(批判がおきかねない)発言をするのもまた駄目だ、とは言えないだろうか。とらえ方によってはということではあるが、誤解を生みかねない。

 見うけるに、悪意があって言ったわけではないのだろうけど、発言の内容がやや雑だという印象はぬぐい切れそうにない。おもて立って性行為について言及するのははばかられるのは確かだが、せっかく言及するのであれば、多少は踏みこんで言うようにして、どういうところに気をつけたらよいかを言うのはどうだろう。

 気をつけることについては、たとえば、性行為をする事前において、相手の合意を何回か確かめるとか、事後においてもめごとが起きかねないかを第三者の視点から確かめてみるとかいったことが挙げられる。中国の思想で言われる仁といったように、相手のことをおもんばかれれば理想だ。

 事前にいくつかのことについてを気をつけられていれば、形式を整えたことになって、性行為という実質がおかしなことになりづらい。手つづきをふんだうえで、性行為という実体を行なう。気心が知れあった者どうしというのもあるかもしれないから、じっさいにいついかなるさいにもそうすることがいるかどうかはわからないが。

 参照文献 『なぜウソをついちゃいけないの? ゴットフリートおじさんの倫理教室(モラル・レッスン)』ライナー・エアリンガー 高本教之 犬飼彩乃訳