省庁の統計調査の不正と、統計調査の不正を調査するさいの不正

 省庁の統計調査に不正があった。統計調査の不正にたいして、統計調査の不正を調べるさいに不正をおかす。調べるさいに、すべてを第三者にまかせるのではなくて、役人が自分たちに都合のよいような形で片づけようとする。不正に不正を重ねてしまう。

 省庁の統計調査に不正があったのであれば、せめてその不正を調べるさいに、さらなる不正を重ねるのではないようにしたい。調べるさいには十分に時間や労力をかけてどうなっているのかを見て行くようにしないと、あまり意味のあるものにならない。

 腰をすえて、第三者に任せる形で不正を調べて、そのうえでそこまで大したことがないものだったというのならともかく、つっこんで調べることがないままに手早く取りまとめてしまうのは、受けとる方にとって説得性があるものとして響かないものだ。

 統計調査の不正という現象にたいして、原因にまでさかのぼって見て行き、問題の所在にまで目を向けるようにする。なぜなのかということをくり返し問いかけて、掘り下げて行く。それをもとにして再発の防止の対策をとるようにしないと、統計の情報について信頼を回復するにいたることは見こみづらい。

 役人のことは置いておくとして、いまの首相による政権は、自分たちに益になる目先の見せかけの成果を出すことにだけかまけるのではなく、できるだけ信頼できる正確で客観な情報を国民にたいして示せるように、時の政権に都合のよいように情報を意図してねじ曲げないことと、公の情報の保存と情報の公開を進めて行くことをのぞみたい。