風邪と同じくらいのウイルスにすぎないと見なす見なし方がある―参照点のちがい

 新型コロナウイルスについてを、ただの風邪にすぎないと見なす。そんなに大さわぎすることではないというのだ。この見なし方は正しいのだろうか。

 たしかに、参照点を低く定めれば、風邪になぞらえることはできるかもしれない。その参照点を高く定めれば、風邪よりも被害が大きく出るものだと見なせる。

 ウイルスについてをどのように認知するのがふさわしいのかがある。それを認知するさいに、確証(肯定)だけではなくて反証(否定)することがなりたつ。軽いものだったとしていたのが重かったり、これが正しいとしていたのがまちがっていたりすることがないではない。

 ウイルスにたいしてあらかじめいだく予断や先見をもってして認知するのだと、その予断や先見が外れることがおきることがあるから、それには気をつけておいて損になることはないだろう。

 ウイルスがどのていどのものかの認知が、はじめのうちは軽いものだと見なすのが当たっているのだとしても、しだいに時間と共にそれが変化していって大きな害を広くもたらすことがわかることがあるから、そうであればそれに合わせて認知を柔軟に変えて行くことがいる。そうしないと認知に不協和がおきてくることになる。

 参照文献 『反証主義』小河原(こがわら)誠