アメリカのホワイトハウスのサイトでは、人々からの声を受けつける We The People というのがあるそうだが、これと同じようなことは日本でもできないものだろうか

 アメリカのホワイトハウスのサイトでは、広く人々からの声を受けつけているという。あることがらについて、三〇日以内に一〇万の数の声(署名)が寄せられれば、そのことがらについてアメリカの政府は改めて見直すことを行なうという。アメリカの政府に直接に人々の声が届く仕組みだ。

 この仕組みを用いて、日本の沖縄県でいまの日本の政府が進めようとしている、新しいアメリカ軍の基地の建設を立ち止まらせることがとり上げられている。いまの日本の政府は強引に基地の建設予定地となっている海岸に土砂を投入したことで、それにたいする反対の声や運動がおきている。

 一つ納得が行かないのは、なぜ日本の国内のことがらなのにも関わらず、日本の政府の頭を飛び越して、アメリカのホワイトハウスのサイトに声を寄せなければならないのかがある。日本の国内のことがらなのだから、日本の政府に直接に声を届けられてもよいが、それができないのがもどかしい。

 アメリカのように、日本も人々からの声を受けつけるような仕組みをとってもらいたいものだ。アメリカのような人々の声を受けつける仕組みがあれば、日本の人々が政治にたいして無関心にさせられるのが多少は改まって、関心をもつことができやすくなるのではないだろうか。

 アメリカのサイトでは人々からの声を直接に受けつける仕組みがあるとはいっても、いちおう形だけは受けつけているだけかもしれないから、あまり大きな期待はもてないかもしれない。それに、ないよりはよいものの、たんに形式の仕組みがあるかどうかの話でもないかもしれない。アメリカではじっさいのところはどうなのかはよくわからないが、日本で同じことをやっても有効に機能する保証はない。

 いまの日本の与党による政権は、自分たちに都合の悪い人々の声をないがしろにすることが目にあまる。沖縄県に寄りそうと言っておきながら、基地の建設地の海岸に強引に土砂を投入するといった、まるで寄りそっていないことをしているのだと新聞社の記事では指摘している。寄りそうと言ったのにもかかわらず寄りそっていないのだから、いまの政権は大っぴらに嘘をついていると言ってよい。(相対的に)力をもつ者が(相対的に)もたない者に嘘をつくのはもっともたちが悪いことの一つだ。