香港のデモと、中国による秩序の回復のもくろみ―秩序と支配と差別(不合理)と抑圧

 香港では大規模なデモがつづいている。逃亡犯を中国の本土に引きわたす法律に反対するものだ。これにたいして中国はデモを押さえつけようとしている。中国は、まず香港の秩序を回復させることが何よりもいることだという見かたを示している。

 中国の言うことは、逆から見れば、中国が回復させようとしているその秩序の内実に問題があるということが言えるだろう。ゆえに、秩序を回復させようとすることは、香港において大規模なデモがおきているという現象に手を打つことにはなったとしても、その原因に手を打つことになるとは見なしづらい。

 中国に限ったことではないが、中国の言うところの秩序というのは、それが保たれているからよいとは限らないし、それが崩れているから悪いとも言い切れそうにない。

 中国に限ったことではなくて、日本などにも言えることではあるが、中国の言うところの秩序というのは、そこには表と裏があるということが言えるだろう。プラスである順機能とマイナスである逆機能がある。プラスのところだけではなくて、マイナスのところを見なければならないし、デモによって秩序が崩れるのにたいしても、そのマイナスのところだけではなくて(問題が浮きぼりになるという)プラスのところを見ないとならない。

 参照文献 『できる大人はこう考える』高瀬淳一 『考える技術』大前研一