日米の対幻想

 日米安保条約の破棄をほのめかす。アメリカのドナルド・トランプ大統領は、そうしたことを言ったのだという。

 トランプ大統領としては、日本を揺さぶることによって、日本とかけ引きをするもくろみがありそうだ。それによってアメリカが日本からできるだけ多くの利益を得ようとするねらいだ。

 中国の格言では、君子淡交を好むと言われている。ほどほどの淡いていどの交わりがよいということだ。日本ではこれが失われてしまっていて、ていどということがふっ飛んでいて、アメリカとぴったりと一体化しようとしているように映る。淡交ではなく濃交になろうとしているのだ。

 日本がアメリカと淡交ではなく濃交になろうとしていることから、日本の不安定性やぜい弱性がおきているところがある。日本はアメリカにしてやられてしまっているのだ。アメリカは正しくないことが少なくないのにもかかわらず、アメリカに日本は逆らえない、といったことになってしまっている。

 日本がアメリカとの依存(共依存)から脱するためには、濃交ではなく淡交になるようにして、アメリカについてを疑うことがいるのではないだろうか。アメリカのやることには、そこまで信用できないことが少なくない。それを信用できるとしてしまうと、虚偽意識におちいるのを避けづらい。

 参照文献 『どうする! 依存大国ニッポン 三五歳くらいまでの政治リテラシー養成講座』森川友義(とものり)