テレビ番組の出演者の言説の偏向や斫断(しゃくだん)と情報の政治性

 テレビ番組の欠点として、時間や労力の制約があることで、斫断(しゃくだん)がおきるようになる。斫断してすぱっと短時間で言い切るような言説を言う出演者が用いられやすい。

 斫断してその場かぎりでの議論に勝ったり、ものごとを単純化したりするような出演者が用いられるようになり、そうした出演者が視聴者から好まれるようになる。人気を博す。それと同時にそうした出演者は視聴者から嫌われるようにもなりかねない。斫断することがむしろ嫌われる。その両方の面がある。

 テレビ番組は時間や労力の制約があることによって、内容の偏向をまぬがれるものではない。そこから出演者が言う言説に斫断がおきたり政治性や意図性や作為性がおきたりしやすい。情報が汚染されやすいところがあり、そのことから出演者が好かれて人気を博すこともあれば、その逆に嫌われることもまたおきてくる。

 参照文献 『書物の達人 丸谷才一川本三郎他 『情報政治学講義』高瀬淳一 『情報汚染の時代』高田明典(あきのり)