アメリカのホワイトハウスのサイトでは、日本の沖縄県にアメリカ軍の基地をつくることを一時停止するうったえが、すでに一〇万票を達したようだが、さらに数字が増えてほしいものだ

 アメリカのホワイトハウスのサイトでは、人々からの声を受けつけている。このサイトで日本の沖縄県に新しくつくられるアメリカ軍の基地のことがとり上げられた。基地を新しくつくることをいったん立ち止まるように求めるものだ。この声がとり入れられるには一〇万票がいるが、この数値はすでに達せられている。人々からの関心が高いことがうかがえる。

 テレビで活躍する芸能人が、ホワイトハウスのサイトに票を入れることを呼びかけたが、このことについて、もしこの芸能人が日本人ではなかったら、内政干渉になるというのがツイッターのツイートで言われている。普通の国では騒ぎになるのだという。この芸能人が日本人であるからまだ大目に見られて許されているとしている。

 日本の芸能界では、芸能人は政治や社会のことを言うのが禁忌(タブー)のようになっている。芸能人にかぎらず、テレビ番組のニュースでは、政治や社会のことが十分に掘り下げて報じられていない。これはテレビ番組が悪いとばかりは言えず、いまの首相による政権やいまの与党がにらみをきかせているのが悪く働いているのだ。なるべく国民に知らせないことをよしとしている。

 論点としては、内政干渉に当たるというのはふさわしいものではないだろう。いまの首相による政権がやっていることについて、すなおに従わなければならないことはない。手放しですべてを任せているのではない。黙っているのは、いまの首相による政権がやっていることに賛成することになってしまう。おかしいことについては、声をあげることがないと、賛成しているとまちがって受けとられる。

 内政干渉ということについては、むしろ日本のあちこちにアメリカ軍の基地があることのほうがそれに当たる。沖縄県にはとくにアメリカ軍の基地が集中していると言われている。他国の軍事基地が日本にあって、それが一つの地域にとくに集中していて、負担が重くなっている。アメリカ軍の基地の中では治外法権が認められていて、日本の法がおよばない。日本の政府はアメリカにたいして、思いやり予算ということで、お金(税金)を支払っているのだ。

 アメリカのやっていることはおかしいところが少なくないが、それにくっついて行こうとしているのが日本の政府である。日本の政府はアメリカの大統領の言いなりになって、多額の軍事の武器を購入させられている。アメリカは日本の海岸の自然をぶち壊すことを何とも思わず、日本の政府もまたそれを何とも思わず、何の抗議もしない。ただアメリカに従うばかりだ。

 こうした日本の政府のあり方に従うことが、客観として正しいということにはならないだろう。アメリカにおとなしく従う日本の政府におとなしく従うのは、大に事(つか)える事大主義になっているが、それが日本のためになるとするのには首をかしげざるをえない。