不徳でありかつ悪徳

 私の不徳のいたすところから、さまざまな批判があった。それを皆さんがかぶっていただいた。たいへんだったと思う。政権への疑惑について、首相は支持者にそう語っている。

 私の不徳のいたすところと首相は言っているが、これは正確には悪徳だろう。悪徳のいたすところから、さまざまな危機がおきた。中心にある危機と、そのまわりにある危機が、ほとんど解決されていない。放ったらかしになってしまっている。時間がすぎるのを待ち、うやむやにしようとしている。

 首相は権力者であり、私人ではなく公人だから、疑惑についてあいまいにするのではなくはっきりとさせるようにしてほしい。灰色のままで逃げ切ろうとするのはおかしい。黒ではなく白だというのなら、黒ではないことを時間をかけて十分に説明するのが必要である。それをしないのであれば、膿(うみ)を出したことにはならない。