軽いものと重いものがある。軟派と硬派がある。この二つのうちでどちらがより重要なのだろうか。
軽いものには値うちはない。重いものにこそ値うちがある。軟派なものはにせものであり、硬派なものが本物だ。こう見られるのがある。
軽いものや軟派なものは軽薄であるとして、これを流行のものだとできる。これにはまったく何の値うちもないのだとは必ずしも言うことはできそうにない。
重いものや硬派なものは不易だとすると、これだけが重要なのではなくて、軽いものである流行もまたあったほうがのぞましい。
不易(重)と流行(軽)のどちらか一方だけではなくて、両方があるのがモダニズムであり、モダニティであるのだという。軽いのだとしても、ただそうであるばかりではなく、重いものも合わせ持っていることがあるから、単眼ではなくて、複眼になるように見て行くことができればよい。