日本の利己主義(egoism)の止揚(しよう):外国人問題の克服

 日本人を中心にする発想でよいのか。

 日本だったら、日本人を中心にする発想でもよいようだけど、それだと利己主義(egoism)におちいってしまう。

 日本人を中心化すると、利己主義におちいってしまうから、脱中心化して行く。

 半分だけ利己主義をやらないようにして行く。ぜんぶやめなくても良いから、半分だけ利己主義をやめるようにして、利他主義をとり入れて行く。

 利他主義によるのだったら、日本人があと回しになって、外国人が重んじられることになってしまいかねない。

 日本人は軽んじて、外国人を重んじて優遇するのだとやりすぎかもしれないから、そこまでは行かないようにして行く。

 ことわざでいう、情けは外国人のためならず、をやるようにする。情けは外国人のためになるだけではなくて、日本人のためにもなる。利他の利己主義だ。利他の利己主義は、学者の山岸俊男氏による。

 いますぐに日本人にもっとも利益になることではないけど、あとあとで日本人の利益にもなる。外国人に情けをかけるようにすれば、外国人のためにもなり、日本人のためにもなる。

 利他主義によるさいに、外国人へ愛と尊敬をもつ。愛は外国人へ近づくことである。尊敬は外国人と遠ざかることであり、いっていの距離を保つ。

 外国人を軽べつしているところがあるのがいまの日本人(の一部)だ。軽べつするのは倫理として良くないことだから改めることがいる。

 ぜったいの自信をもって、日本人が日本にずっとい続けられるとは必ずしもかぎりそうにない。日本人だったらこの先もずっと日本にい続けられるとは必ずしもかぎらなくて、日本の外へ出て行かなければならない人がおきてくるかもしれない。

 日本人にとって、もしくは自分にとって慣れない地域(場所、土地)に行かないとならないことが、もしかしたらこの先にあるかもしれない。大きな自然の災害や、原子力発電所の事故なんかがおきたら、いまいるところから他のところへ移る。避難することがいる。

 情けは外国人のためにしかならない、といったようだと、外国人へ情けをかけないことになる。自分がもしも外国人の立ち場に立たされることがあったとしたら、自分へ情けをかけてもらえなくなる。冷たいあつかいを受けつづける。

 日本人が外国人に情けをかけない。情けは外国人のためにしかならず、日本人のためにはならないとするのは、あとあと日本人の首をしめることになりかねない。日本人に情けをかけたってむだだ、といったふうにされてしまう。

 利他主義によって、外国人に情けをかけるのは、むだなことなのだろうか。むだかどうかは、立ち場や期間や目的によって変わってくる。どういう立ち場なのかや、どれくらいの期間かや、どういう目的かだ。それらによっては、日本人が外国人に情けをかけるのは、まったくむだなことではない。すごい必要性が高いことなのである。

 日本人が日本を愛するのは、たんなる自己愛にすぎない。自己愛(自己保存)もあってもよいけど、ほどほどにしておきたい。中庸(ちゅうよう)になるようにする。ほどほどのつり合いをとって行く。

 とことんまで見て行く。これから先に日本や日本人がどうなるかをとことんまで見て行くと、いまの現実性としては日本人は日本にいられているが、可能性としては日本人が日本の外に出て行かされることがまったくないとは言い切れそうにない。

 慣れているのではなくて、慣れないところへ自分が行かされるかもわからない。難民になることがある。日本人が難民になることは、可能性として絶対にないとは言い切れないから、いまのうちに、利他の利己主義にして行く。

 すでに日本人は難民化していて、生活が苦しい人たちが少なからずおきている。すでに難民化していることから、外国人を標的(target)にしてうっぷんを晴らしているところがある。ぜい弱性(vulnerability)をもつのが外国人だから、排除されやすい。

 いま生活が苦しいのはあるかもしれないが、あとでもっときびしい難民化がまっているかもしれないから、いまのうちに外国人への愛をもつ。愛と尊敬をもつ。外国人に厚い情けをかけるようにして、そのことによってあとあと日本人が利益を得て行く。

 人情をともなった温かい義理で外国人をもてなす。人情をともなわない冷たい義理によらないようにして行く。利他の利己主義をなすことができれば、日本人はかしこいことになる。

 日本人が利益を得て行く。理と気の二つにふ分けしたところの気である。理と気があんまり離れすぎているとよくない。外国人と仲よくしつつ、日本人がゆくゆくは利益を得て行くのであれば、理と気が離れすぎないですむ。

 外国人と仲よくして行くのは、理と気でいうところの気である。気のところが重みをもつ。日本人の気のあり方しだいで、うまくすれば外国人と仲よくすることがなり立つ。

 食べものでいえば、きらいだとしていたものでも、食べてみるとあんがいおいしかった。きらいなものを好きになるのは、その食べものが変わったのではなくて、食べる人の気のあり方が変わったことによる。理と気の二つがあるけど、そのうちで気のあり方もまた大事である。

 おなじ日本人どうしだったとしても、気が合わないことがある。たとえ同じ日本人どうしだったとしても、必ずしも気が合うとはかぎらない。似ている者どうしだとかえっていがみ合いがおきがちだ。同族の嫌悪だ。

 たとえ日本人どうしだからといってもあまり気を許し合わないほうがよい。距離が近づきすぎると政治においてはまひがおきてしまう。距離を少しとっておく。日本人どうしであっても、距離を少し置いたつき合いのほうが危なさは少ない。とくに政治では権力者とのあいだに距離をとったほうがまひを防げる。

 政治でまひがおきる。超越の他者(hetero)に動かされてしまう。強制にしたがう行動をさせられる。自由を失う。他律(heteronomy)である。権力者による独裁だ。

 権力者が超越の他者になると他律になる。かつてのドイツではそれがおきた。日本ではかつて天皇が超越の他者だった。いまのアメリカではドナルド・トランプ大統領は超越の他者のところがあり、アメリカ人でまひしている人がおきている。距離がとれていない。

 気が合うか合わないかでは、国のちがいをこえて日本人と外国人のあいだですごく気が合うことがある。日本人と外国人のあいだで、気心が知れ合う。日本で親米が多いのは、日本人とアメリカ人のちがいが大きいからだろう。アメリカ人は日本人とちがうところがいっぱいある。

 外国人に、日本に溶けこんでもらう。なじんでもらう。日本語を効率よく身につけてもらう。外国人が日本に適合するさいに、理と気の二つによるやり方がある。理と気の二つをうまく使えれば、外国人が日本に適合しやすくなる。理だけではなくて、気による手も使って、日本になじんでもらえる。

 理と気のうちで、理はとりあえず置いておく。気で、日本の利益だけにしぼる。国の利益だけにしぼると、外国人の労働者を日本に受け入れるのは、利益になる。とんでもなく大きな利益にはならないのにしても、それなりの利益になる。ちょっとしか利益にならないのだとしても、少なくとも不利益にはならない。

 話を気だけにしぼって、経済学からしてみると、国の利益になるのが、外国人の労働者の受け入れだ。多くの国が、外国人の労働者を国に受け入れている。経済学からして理にかなっているからだ。いちおう経済学ではそうなっているらしい。政策論からすると、外国人の労働者を国に受け入れる政策は、経済学として妥当なものである。

 経済学だけですべてが決まるわけではないかもしれない。人々の感情なんかが大きな重みをもつ。感情としてなっとくできないこともあるだろうけど、審級(しんきゅう)がどうかがある。判断の段階だ。経済が最終の審級(level、stage)だとされるのがある。経済がいちばん重みをもつのだとすると、外国人の労働者を国に受け入れる動きは、多かれ少なかれなされてしまう。政策が前に進みやすい。

 参照文献 『カルチュラル・スタディーズ 思考のフロンティア』吉見俊哉(よしみしゅんや) 『逆説思考 自分の「頭」をどう疑うか』森下伸也(しんや) 『橋下徹の問題解決の授業 大炎上知事編』橋下徹 『すっきりわかる! 超訳「哲学用語」事典』小川仁志(ひとし) 『徹底図解 社会心理学 歴史に残る心理学実験から現代の学際的研究まで』山岸俊男監修 『構築主義とは何か』上野千鶴子(ちづこ)編 『無駄学』西成活裕(にしなりかつひろ) 『倫理学を学ぶ人のために』宇都宮芳明(よしあき)、熊野純彦(くまのすみひこ)編 『義理 一語の辞典』源了圓(みなもとりょうえん) 『できる大人はこう考える』高瀬淳一 『現代思想を読む事典』今村仁司(ひとし)編 『現代思想キイ・ワード辞典』鷲田小彌太(わしだこやた)編 『境界線の政治学杉田敦(あつし) 『難民 exile 思考のフロンティア』市野川容孝(いちのかわやすたか) 小森陽一 『こうして組織は腐敗する 日本一やさしいガバナンス入門書』中島隆信 『アイデンティティ(identity) / 他者性(otherness) 思考のフロンティア』細見和之(ほそみかずゆき) 『これが「教養」だ』清水真木(まき) 『究極の思考術 あなたの論理思考力がアップする「二項対立」の視点十五』木山泰嗣(ひろつぐ) 『グローバリゼーションとは何か 液状化する世界を読み解く』伊豫谷登士翁(いよたにとしお) 『十三歳からの日本外交 それって、関係あるの!?』孫崎享(まごさきうける) 『韓国は一個の哲学である 〈理〉と〈気〉の社会システム』小倉紀蔵(きぞう) 『目のつけどころ(が悪ければ、論理力も地頭力も、何の役にも立ちません。)』山田真哉(しんや) 『思考の「型」を身につけよう 人生の最適解を導くヒント』飯田泰之(いいだやすゆき) 『国家のエゴ』佐藤優(まさる) 姜尚中(かんさんじゅん) 『精神分析 思考のフロンティア』十川幸司(とがわこうじ) 『リヴァイアサン 近代国家の思想と歴史』長尾龍一 『楽々政治学のススメ 小難しいばかりが政治学じゃない!』西川伸一 『天皇論』鷲田小彌太