なんで、自民党と立憲は、同じだと見なされてしまうのだろうか。
与党である自由民主党と、野党の第一党である立憲民主党は、同じようなものなのか、それともちがいがあるのだろうか。
野党であるれいわ新選組だったら、はっきりと、消費税の減税や消費税をなくすことをかかげている。消費税にかんして自民党とのちがいがある。自民党は消費税を下げたりなくしたりすることには消極である。
政党としては、消費税を下げたりなくしたりすることをはっきりと示してはいないのが立憲民主党である。そこから、自民党とそうちがいはないのだと見なされてしまう。自民党と同じようなものだ。
明と暗のように対照になっているととらえやすい。離散(digital)のありようだ。反対となるものがあれば物のりんかくがはっきりとする。政治では、味方と敵に分ける。友敵の理論だ。味方と敵のあいだにしっかりと線を引く。二分法だ。
うす明るいとかうす暗いようだととらえづらい。連続(analog)のありようだ。連続だと対照ではないから連なっているようである。つながり合う。分節されない。両義性(ambiguity)である。
いまの日本の政治は自民党が力をもっている。そのありようを世界だとしてみたい。世界の中に、立憲民主党が含まれるかどうかがある。含まれれば自民党とちがいはない。含まれなければ自民党とはちがいをもつ。
世界は、自民党が力をもつありようだ。そこに含まれないものとしては、野党のれいわや日本共産党をあげられる。れいわや共産党は、反世界である。世界の中からは排除されている。
いまの日本の政治において何がいるのかといえば、消費税を下げたりなくしたりすることであるよりは、反世界がいる。世界から、反世界に転じて行く。
自民党が力をもつ世界のありようが客観や本質に悪いとはできないけど、それが保たれつづけることで、乱ざつさ(entropy)がたまりまくっている。乱ざつさを外に吐き出せなくなっている。乱ざつさを外に吐き出すためには世界を反世界に転じて行く。
はたして世界なのか反世界なのかがびみょうなのが立憲民主党だ。同じようにびみょうなのが、野党の日本維新の会や国民民主党である。維新の会や国民民主党は、世界に含まれているのだととらえることがなりたつ。第二自民党だ。
いろいろに線を引くことができるのが政治だから、立憲民主党は世界に含まれている、つまり自民党と同じようなものだとすることがなりたつ。それだけではなくてちがう線の引き方もできて、立憲民主党は世界には含まれていない、つまり反世界なのだとすることもできなくはない。
かつての日本の江戸時代でいえば、世界のありようは幕府がつづくことである。立憲民主党は幕府の中に含まれるのだとしたら、立憲民主党が力をもったところで、第何代の幕府がつづくことになる。幕府が倒れるわけではない。
幕府を倒すのだったら、世界から反世界に転じることになる。あんまり立憲民主党に望みを持てないのは、立憲民主党が力をもったところで、幕府がたおれず、幕府がずっと続きそうだからだろう。
なにがいるのかといえば、世界から反世界に転じることだ。反世界に転じることによって、世界にたまっている乱ざつさを外に吐き出すことがなりたつ。世界にたまっている汚れをそうじできる。
大そうじをしないとならないのがいまの日本の政治だ。何が何でも消費税を下げたりなくしたりすることにこだわらないのであれば、大そうじをして行くことを重んじることがなりたつ。世界にたまっている汚れを、そうじすることによってきれいにして行く。
そうじの役をになうのは、世界に含まれていない、つまり反世界のものだ。そうじの役をになえるのかになえないのかがびみょうなのが立憲民主党なのである。維新の会や国民民主党もびみょうだ。
維新の会なんかは、むしろ関西においては汚れをためていっている。関西で力をもっているのが維新の会であり、そうじをするどころか、関西をどんどん汚くしていっていて、乱ざつさをためまくっている。きびしく見ればそう見なすことがなりたつ。
明らかにそうじの役をになえないのだと断言はできないのが立憲民主党だ。いっさいそうじすることができないとまでは強調できない。もしかしたら、世界のありようの中にたまっている汚れをそうじできるかもしれない。
ふ分けをしてみると、消費税を下げたりなくしたりすることと、そうじすることを分けてとらえることがなりたつ。消費税を下げたりなくしたりすることはうんと言われているけど、そうじすることはあまり言われていない。
そこまで重んじられていないのが、世界のありようを掃除することだ。消費税を下げたりなくしたりすることがうんと言われすぎているけど、そうではなくて、それよりも世界のありようをそうじすることのほうがより重要だ。世界を反世界に転じて行く。世界に含まれていると、自民党と同じようなものだから、そうじの役をになえない。
動機づけ(incentive)の持ち方しだいでは、そうじの役をになえるのが立憲民主党だろう。たとえ世界には含まれていなくて反世界にあるからといって、そうじへの動機づけ(motivation)が高いとはかぎらない。
野党であるれいわなんかは世界に含まれていなくて反世界にあるけど、そうじへの動機づけはそこまで高くはなくて、それよりも消費税を下げたりなくしたりすることへの動機づけが高くなってしまっている。
れいわは、動機づけの持ち方を変えて、消費税を下げたりなくしたりすることよりも、世界のありようをそうじすることへの動機づけを高くするほうが良い。(消費税を下げたりなくしたりすることに比べると)そこまでそうじすることへの動機づけが高くはないのがれいわだけど、自民党への批判や、日本の政治への批評では、けっこう良いこと(するどいこと)を言っているのはたしかだ。
れいわにはうんと希望をもてるけど、立憲民主党には希望をもてない。絶望をいだく。消費税を下げたりなくしたりすることに積極なのがれいわだから希望をもてるけど、立憲民主党は自民党と同じで消極だから絶望をいだいてしまう。希望と絶望ではそうしたふうにもできるけど、中国の文学者の魯迅(ろじん)はこういう。希望は虚妄であり、絶望もまた虚妄であるという。
参照文献 『究極の思考術 あなたの論理思考力がアップする「二項対立」の視点十五』木山泰嗣(ひろつぐ) 『カルチュラル・スタディーズ 思考のフロンティア』吉見俊哉(よしみしゅんや) 『逆説思考 自分の「頭」をどう疑うか』森下伸也(しんや) 『双書 哲学塾 自由論』井上達夫 『構築主義とは何か』上野千鶴子(ちづこ)編 『現代思想を読む事典』今村仁司編 『社会的ジレンマ 「環境破壊」から「いじめ」まで』山岸俊男 『できる大人はこう考える』高瀬淳一 『法哲学入門』長尾龍一 『原理主義と民主主義』根岸毅(たけし) 『境界線の政治学』杉田敦(あつし) 『橋下徹の問題解決の授業 大炎上知事編』橋下徹 『現代思想キイ・ワード辞典』鷲田小彌太(わしだこやた)編 『議論入門 負けないための五つの技術』香西秀信 『ポケット図解 構造主義がよ~くわかる本 人間と社会を縛る構造を解き明かす』高田明典(あきのり) 『リーダーは半歩前を歩け 金大中(きむでじゅん)というヒント』姜尚中(かんさんじゅん) 『デジタル思考とアナログ思考』吉田夏彦 『増補版 大人のための国語ゼミ』野矢(のや)茂樹 『はじめての批評 勇気を出して主張するための文章術』川崎昌平(しょうへい) 『希望のつくり方』玄田有史(げんだゆうじ) 『魯迅に学ぶ批判と抵抗 佐高信の反骨哲学』佐高信(さたかまこと) 『国体論 菊と星条旗』白井聡(さとし) 『ポリティカル・サイエンス事始め』伊藤光利編