政党の消費税への対応に、多様性(多様化)を求める:消費税についての色々な声(voice)

 消費税をなくす。食料品についてのだ。そううったえているのが、野党である立憲民主党の吉田はるみ氏だ。

 立憲民主党の代表をえらぶ選挙に出るのが吉田はるみ氏だ。

 消費税をなくすことを言っていて、左派のところがある吉田はるみ氏が、立憲民主党の代表に選ばれるかもしれない。可能性としてはそれがまったくないわけではないが、そのことをどのようにとらえられるだろうか。

 おなじ政党の代表をえらぶ選挙に出るのが、野田佳彦元首相と、枝野幸男氏と、泉健太代表だ。野田元首相と枝野氏と泉代表は、そこまで左派ではなくて、やや右派にかたよったところを持つ。吉田はるみ氏ほどには左派とはできそうにない。

 吉田はるみ氏がいることによって、つり合いがとれるようになった。不つり合いだったのがやや改まったのである。野田元首相と枝野氏と泉代表の三人だけだったら、右に寄っているのがあり、左がとぼしい。右へ右へとなびきそうなのである。

 消費税の減税を言っているのが吉田はるみ氏だが、立ち場が一つだけだとかたよる。立ち場は二つより以上あったら色々な視点をもてる。視点の多様化だ。減税を打ち出しているのなら増税(または税率の維持)を、増税(または税率の維持)を打ち出しているのなら減税を、といったようにできればつり合いをとることがなりたつ。

 なくす、下げる、そのまま、上げる、が税についてはなりたつ。なくす、下げるだけだとかたよりがある。そのまま、上げるだけであってもかたよってしまう。

 一つの政党の中で、なくす、下げるだけなのだとかたよっている。それと同じように、そのまま、上げるだけでもかたよったあり方だ。

 できるだけ幅が広いほうがつり合いを取りやすい。立憲民主党では、吉田はるみ氏が出ることによって、幅に広がりがおきた。吉田はるみ氏がでなくて、野田元首相と枝野氏と泉代表だけだったら、それぞれが似たりよったりのところがあるから幅がじゃっかんせまい。

 かんじんなことは、幅がせまいのではなくて、幅を広げて行く。視点をいくつも持ち、視点を多様化して行く。消費税をなくすのや下げるのだけだったり、そのままなのや上げるのだけだったりすると幅がせまい。幅を広げたほうが、色々に実在している人々の声をすくい上げやすい。

 どういうふうであるべきなのかは、かくあるべきの当為(とうい)だ。吉田はるみ氏だったら、消費税をなくす。食料品についての消費税はなくすべきだとしている。そうした当為をとっているのである。

 野田元首相と枝野氏と泉代表だけだと、色々に実在する人々の声をもれなくすくい上げづらい。もれがおきてしまう。かくあるの実在のところで、もれがおきる。かくあるの実在のところを見てみると、消費税をなくすのや下げることを言う声が少なからずあるのはたしかだ。

 かくあるべきの当為だけなのであれば、幅がせまくてもよい。消費税について、こうであるべきだとするだけなのであれば、幅は広くなくてもよいけど、かくあるの実在を軽んじないようにしたい。

 かくあるの実在を重んじるようにするのであれば、幅を広げて行く。視点を一つだけ持つのではなくて、視点を多様化して行く。政党の中で、消費税をなくす、下げる、そのまま、上げるといったように、いろいろに言う人が表に出てきたほうが、幅が広がってよい。色々に実在している人々の声をすくい上げることがなりたつ。

 参照文献 『増補 靖国史観 日本思想を読みなおす』小島毅(つよし) 『本当にわかる論理学』三浦俊彦 『すっきりわかる! 超訳「哲学用語」事典』小川仁志(ひとし) 『カルチュラル・スタディーズ 思考のフロンティア』吉見俊哉(よしみしゅんや) 『逆説思考 自分の「頭」をどう疑うか』森下伸也(しんや) 『双書 哲学塾 自由論』井上達夫構築主義とは何か』上野千鶴子(ちづこ)編 『十八歳からの格差論 日本に本当に必要なもの』井手英策(えいさく) 『リーダーは半歩前を歩け 金大中(きむでじゅん)というヒント』姜尚中(かんさんじゅん) 『右傾化する日本政治』中野晃一(こういち) 『できる大人はこう考える』高瀬淳一 『対の思想』駒田信二(しんじ) 『宗教多元主義を学ぶ人のために』間瀬啓允(ませひろまさ)編