国民のことを思う政治家たち:うその語りに要注意

 与党も野党も、茶番だ。野党であるれいわ新選組の政治家はそう言う。

 れいわ新選組がいうように、はたして与党も野党も茶番なのだろうか。

 たしかに、与党である自由民主党がだめだとはいっても、だからといって野党の第一党がきちんとしているともできづらい。

 野党の第一党である立憲民主党は、自民党へのきびしさがもう一つ足りない。自民党への甘さをもつ。自分たちもやや自民党化しているところがある。

 茶番とされるのを言いかえてみると、与党も野党も表象だとすることがなりたつ。

 心の中の像(image)を外に表現したものなのが表象(representation)だ。

 国民そのもの(presentation)なのではないのが政治家だ。国民を代理したり代表したりしているのにとどまる。

 国民にたいしてうそをつく。表象である政治家は国民にうそをつくことが多いから、批判をして行くことがいる。

 政治でつかれるうそは見逃せそうにない。うそを見逃してしまうと国民に損や害がおきてしまう。

 色々なうその語りが政治ではなされる。政治における二大の要素なのが語りとお金だ。お金はせまいものではなくて広い意味のものであり、価値を含む。

 あたかも国民そのものであるかのようなうその語りが言われるのがある。大衆迎合主義(populism)なんかだと、国民が語られる。生活者が語られる。

 気をつけないとならないのは、大衆迎合主義においては、国民そのものであるかのような語りが言われる点だ。表象なのだから、政治家は国民そのものではないのにも関わらず、じかに国民の利益になるかのようなうその語りが言われるのである。

 れいわ新選組がいうように、与党も野党も茶番であるのであるよりは、それを言いかえてみると、与党も野党も表象だ。どちらも表象なのだから、与党への批判をなすのとともに野党への批判もいる。

 うそがはびこっているのがいまの日本の政治のありようだろう。与党である自民党の政治家によるうそだけではなくて、野党の政治家もまたうそをつく。野党の政治家も表象なのだから、国民にたいしてうその語りを言う。

 もしもいまの日本の報道がしっかりとしていれば、与党がつくうそも、野党がつくうそも、どちらも見ぬきやすい。報道がしっかりとしていればのぞましいけど、現実論としては政治家がつくうそを見逃しまくっている。

 本当のことやまことのことを、国民に言うのではないのが政治家である。いっけんすると本当のことやまことのことを言っているようであったとしても、じっさいにはうその語りであることがある。政治家は国民そのものなのではなくて表象なのだから、国民にたいして本当やまことのことを言うことはそれほど多くない。政治においては、つかなければならないうそも中にはある。うそで成り立っている(回っている)ところがあるのが日本だ。

 れいわ新選組がいうように日本の政治が茶番であるかどうかはちょっと置いておくとして、与党も野党もどちらも表象であるとはできそうだ。国民とぴったりと合っていなくてずれをもつ。どれほど国民とぴったりと合っていると言おうとも、どれほど国民とすごく近いのだと言おうとも、いずれにしても国民とのあいだにへだたりがある。

 いつもいつも本当やまことのことを言うのではないのが、表象である政治家だ。意図(intention)と情報(message)がずれる。意図(I)とはちがうことを言う。与党である自民党だけではなくて、野党にもまたそれがあるから、気をつけるようにしたい。国民を語ったり生活者を語ったりしていても、ほんとうに国民のことを思っていたり生活者のことを思っていたりしているとはかぎらない。

 うわべでは良いことを言いつつも、うその語りであることがある。政治で、本当やまことのことが語られることは、あまり多くなさそうだ。政治家が何かを言っているさいには、それが本当やまことのことではなくて、うその語りであるかもしれない。与党であろうとも野党であろうとも、政治家の言うことをそのまま丸ごとうのみにしないほうが安全だ。

 安全かどうかでは、安全側や危険側の言いかたが科学ではされるという。この言い方でいえば、与党であろうとも野党であろうとも政治家が言っていることをそのまま丸ごとうのみにするのは安全側ではない。与党だけではなくて野党の政治家が言っていることであったとしてもいちおう疑っておいたほうが安全側だ。

 参照文献 『政治家を疑え』高瀬淳一 『安心社会から信頼社会へ 日本型システムの行方』山岸俊男 『うその倫理学』亀山純生(すみお) 『現代思想を読む事典』今村仁司編 『カルチュラル・スタディーズ 思考のフロンティア』吉見俊哉(よしみしゅんや) 『すっきりわかる! 超訳「哲学用語」事典』小川仁志(ひとし) 『うたがいの神様』千原ジュニア 『疑う力 ビジネスに生かす「IMV 分析」』西成活裕(にしなりかつひろ) 『日本語の二十一世紀のために』丸谷才一 山崎正和 『小学校社会科の教科書で、政治の基礎知識をいっきに身につける』佐藤優(まさる) 井戸まさえ 『思考の憑(つ)きもの 論より実践のクリティカルシンキングパオロ・マッツァリーノ 『科学的とはどういう意味か』森博嗣(ひろし)