共産党の支援がもたらす、めぐりめぐる結末:目利きの力

 いい年こいて、共産主義なのはどうなのか。女性の芸能人にたいして、そう言われていた。ウェブの X(Twitter)においてである。

 東京都の知事の選挙にでるのが蓮舫(れんほう)氏だ。日本共産党は、れんほう氏を支援している。

 れんほう氏に票を入れるのは、その人が共産主義であることを示すことになるのだろうか。

 悪いものから支援されているのが、れんほう氏だ。悪いものである共産党から支援されている。これにおいては、負のものとして共産党が見なされているのである。負のものとして表象(representation)されている。心の中の像(image)を外に表現したものなのが表象だ。

 形態(gestalt)の心理学をもち出してみると、れんほう氏を図がらとして、共産党を地づらとすることができる。図がらと地づらはひっくり返すことができるので、共産党を図がらとして、れんほう氏を地づらとすることもなりたつ。

 負のものなのが共産党なのだから、それから支援されているれんほう氏も負のものになる。この見なし方は、れんほう氏を図がらとして、共産党を地づらとする見なし方だろう。

 共産党を図がらにしてみると、そのよし悪しをれんほう氏によっておしはかることがなりたつ。れんほう氏を通して、共産党のよし悪しや力量をおしはかれるのである。

 うったえかける力がかなり高いのがれんほう氏だろう。動員(mobilization)する力がけっこう高い。

 れんほう氏の訴えかけによって、いろいろな人が動員されているのがあり、一人で街頭に立って宣伝している人がおきている。一人で宣伝するのはなかなかできることではなくて、けっこうな勇気がいる。れんほう氏がもつ動員の力がかなり高いからこそ、勇気を出して街頭で宣伝する人がおきているのである。

 なかなかできないことなのが、人を動かすことだ。そうかんたんではないことなのが人を動かすことだけど、それをやる力をけっこう持っているのがれんほう氏である。この力を持っているのは、れんほう氏であるだけではなくて、共産党もまた持っているのだと見なすことがなりたつ。潜在としてその力を持つ。

 こんかいの東京都の知事の選挙では、政治家として人を動員することがけっこうできているのがれんほう氏だ。選挙で勝てるかどうかはさしあたって置いておけるとして、れんほう氏が呼びかけることによってそれなりの人たちを動員することができている。

 修辞学の、類似からの議論からしてみると、れんほう氏と共産党は類似し合う。まったく差異性だけによっているのではない。

 お互いに類似し合っているのだとすると、れんほう氏が政治家としてけっこう高い力を持っているのだとすれば、それはたんにれんほう氏だけが優れているのだとはできそうにない。れんほう氏だけではなくて、共産党もまた(れんほう氏に負けず劣らず)すごいことが示されているのである。

 一方がすごければすごいほど、他方もまたそれと同じくらいにすごい。れんほう氏ががんばればがんばるほど、共産党の良さも高まって行く。良い相乗の効果がはたらく。

 ことわざでいう、情けは人のためならずのように、れんほう氏を支援することによって、めぐりめぐって共産党のためになっている。目利きの力をもっているのが共産党だ。れんほう氏もまた目利きの力をもつ。

 共産党から支援されることは、負にはたらくとされているのがあるけど、必ずしもそうなのだとはできそうにない。きちんとした目利きの力を共産党が持っているのだとすれば、情けは人のためならずのようになり、めぐりめぐって共産党の益になる。支援された人がすごければすごいほど、(支援するところのものである)共産党もまたすごいことが示されるのである。

 参照文献 『議論入門 負けないための五つの技術』香西秀信 『異端のススメ』小池百合子 林修(おさむ) 『岩波小辞典 心理学 第三版』宮城音弥(みやぎおとや)編 『信頼学の教室』中谷内一也(なかやちかずや) 『情報政治学講義』高瀬淳一 『カルチュラル・スタディーズ 思考のフロンティア』吉見俊哉(よしみしゅんや) 『徹底図解 社会心理学 歴史に残る心理学実験から現代の学際的研究まで』山岸俊男監修 『大学受験に強くなる教養講座』横山雅彦 『逆説思考 自分の「頭」をどう疑うか』森下伸也(しんや) 『すっきりわかる! 超訳「哲学用語」事典』小川仁志(ひとし)