政治と宗教と、日本の和のまずさ―韓国の理(理と気)と、日本の和

 和と理によって、韓国の新宗教(旧統一教会)のことを見てみるとどのようなことが見えてくるだろうか。

 和は日本のあり方だ。理は韓国のあり方だ。

 日本で活動しているのが韓国の新宗教であり、そこには日本による和のあり方と、韓国による理のあり方の二つがかいま見られる。

 いま韓国の新宗教への批判が日本では高まっているが、もともとは批判されていなかった。理による批判が行なわれていなかった。いまは批判の声がおきているけど、理による批判が十分になされているとはいえず、和のあり方が根づよい。

 たまたま犯人によって安倍晋三元首相が殺される事件がおきた。この事件がおきる前までは、理による批判がほとんどされていなかったのが韓国の新宗教だ。

 事件がおきたことによって、いまは理による批判がそれなりに行なわれるようにはなったけど、いぜんとして和によるあり方が強いのもあり、韓国の新宗教を甘く許して、かばうこともけっこう言われている。

 もともと和によるあり方がすごく強いのが日本であり、事件がおきる前までは、和のいっぺんとうのようになっていた。そこに理による批判がおき出したのがあり、それはよい流れだ。

 おもい切って、日本の和によるあり方ではなくて、韓国による理のあり方に、うんと重みをかける。和によるいっぺんとうになりがちなのが日ごろの日本だから、それを変えてみて、理によるいっぺんとうみたいにして、韓国の新宗教をきびしく批判して行く。

 日本に適合して、それで活動しているのが韓国の新宗教であり、和によるあり方をそれなりにとっているのがある。政治と宗教がゆ着していて、与党の自由民主党と、和のあいだがらにあるのが、韓国の新宗教だった。いまでも和のあいだがらがつづいている。

 自民党は、理によるようなふりをして、韓国の新宗教を悪い集団みたいに言っているのもあるけど、そこは弱い。理は弱くて、和のほうがうんと強いから、政と宗のゆ着をきちんと払しょくしようとしていない。和をつづけようといている。

 理には理(理に対しては理)を、みたいにして、韓国の新宗教がもっているおかしな理にたいして、まっとうな理をぶつけて行く。韓国の新宗教による理にも、それなりのよさがあるみたいにしてしまうと、けっきょくは日本の和のあり方が強まることになって、政と宗のゆ着の和のあり方がつづいてしまう。

 あくまでも歴史のところだけをとり出してみると、韓国の新宗教の理には部分的には正しさがある。歴史のところだけをとり出して見てみればそう見なすことがなりたつ。日本の国のいまの歴史の見なし方は、愛国の歴史修正主義になっていて、理がない。日本は、理がないのから、理によるようにして、日本のかつての負の歴史を十分にくみ入れるべきだ。

 和でやってしまうと、包括みたいになってしまい、悪い新宗教を甘く許してしまう。包括(包摂)は、木と森でいえば、森のあり方であり、ものごとをあいまい化してしまいやすい。森のあり方だと、いろいろなものどうしのつながり合いになり、しがらみにしばられる。木に焦点を当てづらく、木がぼやけやすい。

 悪い新宗教にも理があって、それにも良さがあるみたいにしてしまうとまずい。はいと、いいえがあって、その二つのあいだ(はいといいえの間)をとってしまう。あいまい(fuzzy)だ。ものごとがはっきりとしづらい。あれも良し、これも良しといった悪い相対主義のようになってしまう。

 和ではなくて理によるようにして、離散(digital)の二値によるようにして、良いと悪いを分けるようにする。はいかいいえかをはっきりと分ける。明と暗をきちんと分けて、対照にして、それで韓国の新宗教が良いのか悪いのかをきちんと見て行く。対照になっていたほうが、ものごとがはっきりとする。はいかいいえかを、それぞれの人が自由に意見を言い合って行く。

 政と宗のゆ着を払しょくし切れそうにないのは、日本の和のあり方がわざわいしているためだ。そう見なしてみたい。ほったんにさかのぼってみると、もともと、和のあり方がわざわいして、政と宗のゆ着が形づくられたのがある。日本が、いかに和のあり方から脱することができるのかが求められている。韓国による理のあり方を方法として日本はうまく使って行くことがいる。

 和のあり方から脱するのは、政と宗のゆ着を払しょくすることと同じことであり、韓国の新宗教にきびしい批判を投げかけることと同じことを意味するものだろう。和のあり方から脱しないと、それがわざわいしてしまい、政と宗のゆ着を払しょくしづらい。脱日本や、脱和のあり方(和のあり方から脱すること)が、かぎになりそうだ。

 参照文献 『韓国は一個の哲学である 〈理〉と〈気〉の社会システム』小倉紀蔵(きぞう) 『朝鮮語のすすめ 日本語からの視点』渡辺吉金容(きるよん) 鈴木孝夫 『法律より怖い「会社の掟」 不祥事が続く五つの理由』稲垣重雄 『木を見る西洋人 森を見る東洋人―思考の違いはいかにして生まれるか』リチャード・E・ニスベット 村本由紀子訳 『歴史 / 修正主義 思考のフロンティア』高橋哲哉