悪い集団を、なくすことの必要性―悪い新宗教の集団と、悪い(または意味のない)政治の政党

 集団があったのを、解散させる。悪い集団だとされているのが、韓国の新宗教(旧統一教会)であり、解散させることがいるのが言われている。

 カルト(cult)の新宗教なのが韓国の新宗教であることから、解散させることがいるのだろうか。

 どのようなものを解散させることがいるのかといえば、韓国の新宗教にたいしてそれをやるだけでは足りない。政治の政党の自由民主党もまた解散させることがいる。

 車でいえば、二つの車輪であり、両輪であるのが、韓国の新宗教自民党だ。そのうちの一つである、韓国の新宗教だけを解散させようとするのだと、一つの車輪だけにとどまるから、もう一つの車輪である自民党もまた解散させることがいるのをとり落とさないようにしたい。

 ゲシュタルト心理学でいわれる、図がら(figure)と地づら(ground)があるなかで、韓国の新宗教をとり上げると、自民党が目だちづらくなってしまう。

 何を図がらとして前景化させるのかがあり、それによって何が地づらとして後景化されてしまうのかがある。

 すごい悪いカルトの新宗教なのが韓国の新宗教なのだとすると、それを図がらにして前景化させて、その解散をなそうとするのはいることだろう。韓国の新宗教を図がらにして、それを悪玉化すると、自民党の悪さがとり落とされてしまいかねない。

 車の両輪でいえば、二つあるうちの一つの車輪を悪玉化することによって、もう一つの車輪が批判をまぬがれたり難をまぬがれたりすることになってしまう。

 二つの車輪があるうちで、一つのものを図がらにして前景化させるのとともに、もう一つの車輪もまた図がらにして前景化させるようにしたい。

 積極に、韓国の新宗教を解散させるのではなくて、それに消極なのが自民党だ。消極なのが自民党だけど、それは車輪の両輪のあいだがらになっていることから来ているものだろう。

 人それぞれによっていろいろな見かたがあるのだから、人によっては韓国の新宗教を解散させないほうがよいとするのがあるだろうし、また自民党を解散させないほうがよい(自民党がありつづけたほうがよい)とする人もまたいるだろう。

 いろいろな見かたがあるから、一方的に決めつけてしまってはまずい。一方的な決めつけはつつしむべき中で、車の両輪として見ると、韓国の新宗教も、自民党も、それがあることの自明性は必ずしも絶対のものではない。

 組みとして、車の両輪になっているのだとして、組み合わせやばあい分けとしては、これらのものをあげられる。韓国の新宗教も、自民党も、どちらも解散させる。韓国の新宗教も、自民党も、どちらも解散させない。韓国の新宗教は解散させるが、自民党は解散させない。韓国の新宗教は解散させないが、自民党は解散させる。

 四つくらいのばあいがある中で、どれがもっともよいのかは、いちがいには決められそうにない。どれがいちばん悪い(よくない)のかは、人それぞれで見かたがちがうものだろう。

 どのばあいが良いのかでは、客観としてはこうだとは言えないが、主観としては、自民党をこそ解散させるのが良いのだとしてみたい。この見なし方は、多くの人からうなずいてもらえるものではないし、客観に良いことだとは言い切れないものではあるが、すごくきびしい見かたを自民党にたいしてとれるとすると、自民党こそが悪さのもとであり、それを解散させるのがよい。

 そこまですごくきびしく見なすのではないのだとしても、韓国の新宗教も、自民党も、どちらにも、それがあることの自明性が十分にあるのだとはいえそうにない。

 自民党に、それがあることの自明性がなくなっているのは、戦後の五五年体制が終わってひさしいのがいまの状況であり、何のためにいまだに自民党がありつづけて、権力をにぎりつづけているのかがよくわからないのがあり、権力をにぎりつづけるのが自己目的化している(権力をにぎりつづけるのだけが自己目的化してしまっている)のがうかがえるためだ。

 いっけんすると、何か目的みたいなのを強くかかげているのが自民党であり、憲法の改正などを強く言っている。それにたいして、だから何なんだ(so what?)の問いかけを投げかけてみると、その目的が日本の国や国民にとって何の益になるのかがよくわからない。

 益になったり、(日本の国や国民にとって)良くはたらいたりするのではないようなことに、大きな意味あいを見いだして、強く打ち出して言っているのが、韓国の新宗教自民党の共通点だろう。だから何なんだの問いかけを投げかけてみると、韓国の新宗教自民党は、解散させるのがあってもよい(解散させてもかまわない)ことが浮かび上がってくるところがある。

 参照文献 『個人を幸福にしない日本の組織』太田肇(はじめ) 『論理的な思考法を身につける本 議論に負けない、騙されない!』伊藤芳朗(よしろう) 『構築主義とは何か』上野千鶴子編 『岩波小辞典 心理学 第三版』宮城音弥(みやぎおとや)編 『変われない組織は亡(ほろ)びる』二宮清純(せいじゅん) 河野太郎