テレビ番組で、消費税についてのでたらめなことやうそは、言うべきではないのか―消費税についてのわかったつもり

 テレビ番組で、でたらめなことを言わないでほしい。うそを言わないでほしい。与党の政治家は、テレビ番組でそう言っていた。

 消費税についてがテレビ番組の中でとり上げられていたが、消費税について、でたらめなことやうそを言うべきではないと、与党の政治家は言う。

 消費税について、うそやでたらめが言われるのを、どのように見なせるだろうか。

 うそやでたらめが言われるのは、事実に反することだろう。事実に反するかどうかは、それを確かめるようにすればあるていどはわかることだ。

 価値については、人それぞれだから、いろいろに言われてよい。消費税について、どういった価値をもつのかは、人それぞれでちがいがあって良いから、いろいろな価値が言われてよい。

 テレビ番組において、消費税のことがとり上げられて、肯定派と否定派がやり合う。意見を言い合う。それそのものは良いことだろう。

 ただたんに、消費税のことをテレビ番組でとり上げるだけでは十分ではない。そこから踏みこんで、とことんまで論じ合う。とことんまでつっこんで話し合う。そこまでやらないと、政治にはならない。

 わかったつもりになりやすいのが消費税についてのことだから、いろいろな点を見て行くことがいる。肯定や否定の意見をいろいろに見て行く。

 それも一つの理屈だ(tu as raison)といったことがあるから、たった一つの理屈だけによるのではない。消費税をよしとすることを、与党である自由民主党の政治家は言っているが、それは一つの理屈にとどまるものだろう。

 国民のためにきちんと使われていないのが消費税であり、経済に悪くはたらいている。だから消費税は減税したりゼロにしたりしたほうが良い。消費税を否定する理屈を言っているのが、野党のれいわ新選組などだ。

 与党の自民党が言っているような、消費税をよしとする理屈だけによるのだと、わかったつもりにおちいりかねない。自民党の言っている理屈をうのみにしてしまうと、かたよりがおきかねない。

 どんどんいっぱいいろいろな理屈を言って行く。いろいろな言説が自由に言われるようにして行く。仮説をいくつもとるようにする。消費税では、いろいろな理屈や言説や仮説をとることができるから、その中のたった一つの理屈や言説や仮説によるだけだと、わかったつもりにおちいっているのから脱しづらい。

 消費税にかぎらず、いろいろなことを、与党の自民党がきちんと事実にもとづいて説明していればまだしもよい。それができていないのが自民党だろう。かつての日本の歴史をねじ曲げて、事実に反する歴史修正主義をとっているのが自民党だ。

 何から何までまったく完全にでたらめなことを言っているのが自民党だと言ったら言いすぎになるが、事実を重んじないところが自民党にはあるのは否定しがたい。知の誠実さがいちじるしく欠けているのである。事実を重んじるのはものごとの基本だが、その基本ができていないのが自民党である。

 いろいろなものごとを片づけて行くためには、事実を重んじる原則をとることがいるけど、その原則がとれていない。原則を捨ててでも、愛国や右傾化につっ走っているのがいまの自民党だろう。原則を捨ててしまっているから、いろいろなものごとが片づかなくなっている。日本のかつての歴史のことをふくめて、でたらめやうそやごまかしを言っているのは自民党なのだから、野党のせいにするべきではない。

 自民党がこわしてしまったものである、事実を重んじる原則や、知の誠実さを、立て直して行く。日本の政治でやらなければならないこととしてそれらがまずある。それらができていないから、日本のかつての歴史をねじ曲げる歴史修正主義がまかり通ってしまっているし、消費税のことがふみこんで話し合われなくなっている。自民党がこわしてしまったことが、わざわいしているのである。

 参照文献 『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』西林克彦 『九九.九%は仮説 思いこみで判断しないための考え方』竹内薫 『考える技術』大前研一 『歴史 / 修正主義 思考のフロンティア』高橋哲哉 『本当にわかる論理学』三浦俊彦 『社会問題の社会学赤川学 『政治家を疑え』高瀬淳一 『右傾化する日本政治』中野晃一