アメリカの大統領選挙で不正がおきることの生起確率はどれくらいなのだろうか

 アメリカの大統領選挙で不正が行なわれたのにちがいない。そうした見かたがさまざまな人によってとられている。この見かたには一部の新興宗教が関わっているとの説もとられている。韓国系の新興宗教トランプ大統領のことを強くおしているのだとされている。もしもこれがほんとうだとすると近代の国民国家政教分離の原則に反することだとも見られる。

 アメリカの大統領選挙で不正が行なわれたのだとする見かたを一か〇かや白か黒かの二分法によっては見ないようにしてみたい。できるだけ二分法にはおちいらないようにして見られるとすると、どういった見かたができるだろうか。一つの見かたとしては確率の点から見てみることだろう。選挙で不正が行なわれることがどれくらいの生起確率でおきるのかだ。

 もしもアメリカの大統領選挙で一方の候補者にいいように不正が行なわれたのであれば、アメリカの大統領選挙のやり方はそうとうにやわだといったことになる。そこで責められるべきなのは、選挙で不正を行なった当のものだけではなくて、やわな穴をかかえていたアメリカの大統領選挙をになう仕組みのところでもある。

 かりにアメリカの大統領選挙の(日本でいうところの)選挙管理委員会のようなところが、そうとうにしっかりとした意識をもっているのであれば、事後において選挙で不正が行なわれないようにするために、事前においてそうとうに入念な準備をしているはずだ。事前における入念な準備を怠っていたのだとすれば、選挙を管理して運営するところがそうとうにずさんだったり手抜かりがあったりしていることになる。それはその選挙を管理して運営するところのこけんに関わることだ。自分たちの名誉がかかっている。

 アメリカの選挙を管理して運営しているところは、あらかじめ選挙で不正が行なわれるかもしれないことを想定することが十分に可能だ。選挙をやるさいに人はよいものだといった性善説で行なうのではなくて人は悪いことをするものだといった性悪説で行なうことが現実的だ。性悪説に根ざした形で選挙をとり行なうのが現実的であり、それが選挙を管理することに当たるだろう。

 選挙をやるさいにかんたんに不正を行なえるような穴を放ったらかしにしておくとは考えづらい。そうした穴がいくつもあってそれを放ったらかしにしておくのは文明の先進を行く国家であればその国家のこけんに関わってくる。文明の先進を行く国家にあるまじきことがおこってしまったことになる。だからできるかぎり穴をふさぐようにすることが事前において準備されるのではないだろうか。その準備を怠っていたのだとすればそうとうに緊張感がない。創造性がない。

 アメリカは世界の中でも文明の先進を行く国だから、そのアメリカのこけんに関わるような失敗や失態をわざわざ自分たちからみすみすするのだとは考えづらい。アメリカの国家がもっている最新鋭の科学の技術をできるかぎり用いてアメリカの大統領の選挙が行なわれることになる。もしもアメリカがもっている最新鋭の科学の技術を使わないで大統領の選挙をやるのであれば、せっかくアメリカの国がもっている宝のような科学の技術を活用しないで、宝のもち腐れのようなことになってしまう。

 アメリカの大統領選挙でだれが選ばれるのかに世界中から注目が集まるのは、アメリカが世界の中でももっとも優れた国の一つだと目されていることによるだろう。そういったアメリカの国にあって、大統領の選挙でもしも不正が行なわれたことがわかったとなれば、アメリカは駄目な国なのだと思われたとしてもおかしくはない。わざわざアメリカの国が自分たちからアメリカが駄目な国なのだと思われてしまうようなことをやるのだとは言えそうにないから、そこのところについてはそうとうに力を入れてきちんとしたことが行なわれるように整えて行くのでないと、アメリカの国の威光(prestige)が保てない。アメリカの国が自分たちからわざわざアメリカの国の威光を捨てることもないだろう。

 はたしてどれくらいの生起確率がアメリカの大統領の選挙の不正についてあるのかというと、もしもアメリカがまともな(ふつうな)意識をもっているのだとすれば、できうるかぎり選挙で不正がおきる生起確率をゼロに近づけて行くはずだ。選挙で不正がおきる穴をゼロに近づけて行く。選挙で不正を行なえることがそもそも不可能な中で選挙をとり行なう。そもそも選挙で不正を行なうことが不可能にしてしまう。できるかぎり穴をふさぐ努力をする。

 国の長を選ぶ選挙はいちばん信用されていないとならないものだから、その信用が揺らぐことがあると、国の長を選ぶ選挙そのものへの信用が無くなることになってしまう。それはアメリカの国の統合にとってははなはだしいマイナスとなることだろう。

 アメリカの国の統合が関わってくることからすると、アメリカの国の長を選ぶ選挙でもしも不正があったのだとすればそれは選挙そのものへの信用が根底から失われることになるし、選挙を行なうことそのものの前提条件が崩れることをあらわす。そうなってしまうと選挙を行なうことそのものの意味が崩れ去ってしまいかねない。選挙を行なうことそのものへの不信感や、選挙を行なうことそのものにたいする陰謀理論なんかが関わってきてしまいそうだ。

 参照文献 『クリティカルシンキング 入門篇 実践篇』E・B・ゼックミスタ J・E・ジョンソン 宮元博章 道田泰司他訳 『九九.九%は仮説 思いこみで判断しないための考え方』竹内薫 『究極の思考術 あなたの論理思考力がアップする「二項対立」の視点十五』木山泰嗣(ひろつぐ) 『世界の陰謀論を読み解く』辻隆太朗(りゅうたろう) 『創造力をみがくヒント』伊藤進