新型コロナウイルスは軽いものなのか重いものなのか

 ブラジルの大統領は、ウイルスの検査をしたところ陰性だったことがわかったという。大統領は軽い症状のようなものが出ていて新型コロナウイルスの感染が疑われていて、隔離されていたという。

 ブラジルの大統領はウイルスの感染に力を入れるよりも経済に力を入れるかまえを見せつづけている。新型コロナウイルスは軽いインフルエンザていどのものだというふうにしている。だからウイルスにしっかりと対応するよりも経済に力を入れたほうがよいのだということのようだ。

 ブラジルはアメリカに次いで新型コロナウイルスの感染の数が多いとされる。世界で第二位の感染者数となっている。

 新型コロナウイルスについてをどのように見なすのかでは、ブラジルの大統領は軽いものと見なす見なし方をとっている。ウイルスをどう見なすのかでは、ブラジルの大統領のように見なす見なし方ではたしてよいのだろうか。ブラジルの大統領のように見なすことができるのだとしても、それはあくまでも一つの文脈にとどまることになるだろう。

 一つの文脈だけによるのだと、対象の一面しかとらえられなくなることになりかねない。わかったつもりになるのだとほんとうにわかったことにはならないから、一つの文脈だけに限定化するのではなくて、色々な文脈を見ていったほうがより理解が深まって行く。

 色々な文脈をくみ入れておいたほうが、情報の量が多くなることで、わかったつもりにおちいるのを少しは避けやすい。いずれにせよ完ぺきに正しい見かたはないかもしれないから、その中の一つの見かたが最終の結論とは決めがたいのがあり、あくまでも暫定(ざんてい)のものにとどまることになる。

 色々な文脈がある中で、その中で相対的に確からしいものをとることにすれば、問題の解決には益になりやすい。確からしさが相対的に高ければ高いほど、それをもとにして問題の解決にとり組めるから、より解決につながりやすいことが見こめる。不確かなことをもとにしてしまうと、ふさわしい方向に進むことができず、問題の解決から遠ざかってしまうから注意がいる。

 参照文献 『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』西林克彦 『九九.九%は仮説 思いこみで判断しないための考え方』竹内薫反証主義』小河原(こがわら)誠 『考える技術』大前研一