政府の Go To キャンペーンにたいして批判の声が一部からおきている

 政府による Go To キャンペーンでは、内容の二転三転がおきている。新型コロナウイルスの感染がある中で、人々の旅行をうながそうとする政策なのが Go To キャンペーンだが、東京都などではいまウイルスの感染が増えていて、対象から東京都は除外されている。

 Go To キャンペーンの内容がとちゅうでころころと変えられたことから、旅館の宿泊のキャンセルがおきることについて、そのキャンセル料を税金でまかなうことが言われている。税金の公正な使い方ではないのではないかという批判の声がおきている。

 政府が Go To キャンペーンの内容をどうするかを決めるさいに、何をすることが必要だったのだろうか。必要なこととしては、目的と手段をはっきりとさせておくことだろう。何の目的のためにどのような手段を行なうのかのつながりをはっきりとさせておく。目的を達するためには色々な手段があるはずだから、色々な手段をあげるようにして、その中からよりふさわしいものを選ぶ。

 浅いところにしかきかない政策をうってもしようがないのだから、せっかくであればできるかぎり深いところにきく政策をうつようにする。どういうことにたいして、どういう手を打つのかがあるが、そのさいに浅いところにしかきかない手を打っても解決にならないことがあるから、深いところにきく手を打てたほうが解決につながりやすい。

 民間のトヨタ自動車で行なわれているような、なぜの問いかけを何回もくり返すことをおこなって行き、どういうことがおきているのかの現象について、その主となる要因を分析して探って行く。要因を体系として分析して行って、どれが主の要因かを探り、できるだけ核となるところに手を打つ。

 中国の思想家の毛沢東は、目の前の矛盾のうしろにある主要な矛盾を認知するように言っている。目の前の矛盾を何とかするというよりは、そのうしろにある主要な矛盾を認知するようにして、そこにたいして手だてを打つようにする。そうすることが大切だということである。

 毛沢東の言っていることをくみ入れられるとすると、副次の矛盾と主要な矛盾を二項対立によって分けるようにして、核となる主要な矛盾を見つけて行き、そこにたいして手を打つことができれば、有効な手だてを打つことができやすい。

 ことわざでは、急(せ)いてはことを仕損じるとか急がば回れと言われているのがあるから、せっかく政策を行なうのであれば、いい加減で表面的なことをするのではなくて、ほんとうに有効な税金の使い方になるようなことをするべきだろう。でたらめでいい加減なことをするくらいであれば、まだ何もしないほうがいくらかはましである。税金の無駄づかいにしかならないようなことは、何かをやっているつもりにはなるかもしれないが、ほんとうに国民のためになることをしているとは言いがたいだろう。

 参照文献 『トヨタ式「スピード問題解決」』若松義人 『古典の扉 第二集』杉本秀太郎(すぎもとひでたろう)他 『橋下徹の問題解決の授業 大炎上知事編』橋下徹