学校が休校になっている中で、九月に入学を移行する案が言われている

 新型コロナウイルスへの感染が広がっている中で、学校が休校になっている。そこで学校をこれまでの四月から九月の入学にする案が言われている。

 この九月入学の案には賛否の声があがっている。文部科学省の高級な役人だった人はこの案に難色を示している。現実として難しいところがあるという。そのいっぽうで元政治家の一人はこの案をよしとしているのを見かけた。それで意見がぶつかり合っていた。

 社会問題として見ると、九月入学の案は賛成または反対が一〇割とは言えないので、一人勝ち型ではなくて論争型だと言えるかもしれない。

 九月入学の案は政策についての政策論なので、信念としてこうだということよりは、意見のちがう者どうして互いに論争し合うのがよい。単純に友と敵に分けて不毛なぶつかり合いをするのではなくて、討論が行なわれればのぞましい。

 討論では案についてそこに問題があるのかないのかを見て行く。問題があるのだとすれば案の中に穴があることになる。その穴があるかどうかを見つけて行くのもまた益になることだろう。

 一か〇かや白か黒かの二分法によるのではないようにできるとすると、一つの案にはプラスだけではなくてマイナスもまたあることが少なくない。プラスだけということはあまりなく、マイナスを含む。その両方を見て行くようにして、プラスだけを見ることでマイナスが捨象または過少視されないようにできればマイナスをとり落とさないですむ。

 念のためにいちおう案の中にマイナスがあるかどうかを色々に確かめておいて、不確実性への備え(コンティンジェンシー・プラン)をとっておくのはまったく益にならないこととまでは言えそうにない。

 参照文献 『社会問題の社会学赤川学 『武器としての決断思考』瀧本哲史(たきもとてつふみ) 『新版 ダメな議論』飯田泰之(いいだやすゆき)