検査の数を増やすことと医療の崩壊―医療の崩壊の問題を単体でとり上げられる

 ウイルスへの感染の検査をたくさんすると日本の医療が崩壊しかねない。だから検査は増やさないほうがよいのだと言われていた。

 日本医師会は、このままでは日本の医療が崩壊するおそれが高いのだと述べていた。

 検査の数ということとはいったん切り離して、医療の崩壊という問題をとり上げるようにして、それを何とかするようにしなければならない。

 検査の数を増やさないのは手段で、医療の崩壊を防ぐのは目標(目的)だ。目標を達せられるのならとくにどのような手段でもよいのだから、この手段でなければならないとは必ずしも言い切れそうにない。一つの手段だけでは足りなかったり(必要条件ではあっても十分条件ではない)、有効ではないまちがった手段をとってしまっていたりするおそれがある。

 手段が大事だというよりは、目標に少しでも近づくことができるかが大事だ。目標に少しでも近づくことができていないのであれば、目的合理性のない手段をとりつづけていることになる。

 医療の崩壊そのものが一つの大きな問題だから、それがおきかねないことにたいして、医療の崩壊をどうしたら防げるのかを探って行く。医療の崩壊を防ぐことを目標として、その目標をどのようにしたら少しでも達せられるのかがある。

 たった一つのことがもとになって医療が崩壊するとは限らないから、さまざまな複数の要因をとり上げるようにして、体系として要因を分析して行く。できるだけ漏れがないように見ていって、局所(部分)の最適のわなにおちいらないで、のぞましい大局の最適になるような手を打てればよい。どれが周辺に当たることで、どれが核心に当たることかを見て行く。

 民間のトヨタ自動車で行なわれているような、なぜそうなのかという問いかけをくり返し投げかけるようにして、周辺だけではなくて核心に近づいて行くようにする。核心に近いところに手を打つことができればより有効な大局の最適となりやすい。

 参照文献 『思考の「型」を身につけよう 人生の最適解を導くヒント』飯田泰之(いいだやすゆき) 『橋下徹の問題解決の授業 大炎上知事編』橋下徹トヨタ式「スピード問題解決」』若松義人 『できる大人はこう考える』高瀬淳一