フェーズが変わることと確証と反証―肯定と否定

 ウイルスへの感染を調べる検査はいらない。それをたくさんすると日本の医療が崩壊する。そう言われていた。

 検査はいらないのだとしていたのが、フェーズが変わったことから、検査をすることがいるようになった。専門家はそう説明していた。

 それまでは検査はいらないとかよくないとしていたのが、それとは逆に検査をしたほうがよいのに変わった。これはフェーズが変わったことによるというよりは、反証されたということとも見なせる。

 検査はいらないとか、それをたくさんすると日本の医療が崩壊するとしていたのが、実証や確証されつづければそのまま保たれる。それが反証されることになれば、検査をすることがいることになる。

 一か〇かや白か黒かの二分法ではっきりと割り切ることができないことがあるから、検査がいらないかいるかや、医療崩壊がおきるかおきないかをはっきりと二つには分けづらいのはある。

 全面にではないにしろ、一部分であっても反証されることになったのであれば、それを認めたほうが度量がある。開かれている。そうではなくて反証のがれをするのは閉じてしまうことになるのでのぞましくない。ほんとうにフェーズが変わったというのもあるのかもしれないが、たんにあれからこれへと無節操に大きく移って行くだけなのであれば、それについては批判をせざるをえない。

 参照文献 『反証主義』小河原(こがわら)誠